Dream 終わらない恋になれ(空の境界巴夢シリアス) 「今日で俺学校辞める」 「―――え?」 放課後残ってくれと言われ,彼の部活が終わるまで教室でまっていれば,やっと現れた巴から突然の退学宣言。 でも何故だか私はとても冷静だった。 「そっか…。辞めて,働くの?」 「ああ,そうなるな」 私の横まで来た巴は静かに頷く。彼の家庭事情は大体聞いていて知っていた。しかしそこまで追い詰められていたなんて私は知らなかった。 「それじゃもう走らないんだね。残念,あたし巴の走る姿好きだったのになあー」 「和…」 いくら強がって平静を装っても,声が微かに震える。 やば…,泣きそう。 無意識に私は巴から目線をそらしていた。 「ごめん…」 「なんで…,なんでっ巴が謝るの!!」 あ…と,我にかえった時は既に遅く,私は彼に向かって怒鳴っていた。 「そりゃ…あたしなんかに,相談したってさ…どうにかなるわけじゃないけど。―――やっぱり,話して欲しかった」 何もできない無力な自分。 自分を責めれば責めるほど涙が溢れて止まらない。 「―――?」 瞬間,ふわっと頭に何かが触れた。巴の手が頭を撫でる。 顔をあげれば苦しそうな巴の顔が目に映る。 「泣くなよ和。…別に俺はお前が頼りないから話さなかったんじゃない」 「じゃあ,なんで―――」 「お前が…和が好きだったから。変な心配かけたくなかったんだ」 真顔でこれまた突然の告白。 私は驚きのあまり言葉がでず,口半開きで巴を凝視した。 「何それ…。カッコつけてんな馬鹿っ!!―――それに…。好きだったとか,過去形かよ」 「あ,いっいや!過去形というか今だって和のこと!!」 私の拗ねたような言葉に慌てだす巴に不謹慎にも少し笑ってしまった。 ああ,いつもの臙条巴だ。 いつのまにか涙は止まっていた。 「おまっ!…笑うなよ…」 巴は笑ったことに気づき,恥ずかしそうに頬を染め不機嫌そうに眉をひそめた。 「怒らないでよ。と・も・え・ちゃん」 「―――っ!!ちゃん付けすんな!!」 こんな風に何でもないことを話して,顔見合わせ二人で笑い合う。 いつまでも続くと思っていたあたり前の日常。 それも今日で 終わる。 一人夕暮れに染まる教室に佇む。 巴と別れて数分 彼は最後に 「またな」 いつもの笑顔で…いつもの別れの言葉で教室を出て行った。 また明日も会える 不覚にもそう思ってしまい,また涙がつたった。 *** ごほっと咳き込めば,口内に広がる鉄の味。 俺の上に馬乗りになり,一心不乱に俺の身体を繰り返し刺す焦点の定まらない母親の顔が見えた。 ああ―――。 俺死ぬんだ。 しかし不思議と頭はスッキリしていた 唯一脳裏に浮かぶのはあいつの顔。 なあ,和。 次会う時は 普通に遊んで また普通に笑い合い そして恋をしよう 今度はずっと和の隣にいるから―――。 あとがき 偽巴ちゃんすいませんしたvv;いや矛盾螺旋観て突発的に書きたくなった巴ちゃん夢です。 初シリアス?…です。主人公とは友達以上恋人未満なかんじですね← 巴ちゃんには本当に幸せになって欲しいです;;。今度は幸せな巴ちゃん夢書きたい(´∀`)当初はもう少し長く書く予定だったんですが短編?にならなさそうだったんで切りました。 あと最後の台詞,わかりましたか?そうです!ひぐらし罪滅ぼし編から借りてきました!←こら 巴ちゃんに言わせたかったんです(^O^)← 連載の方でも早く矛盾螺旋書きたいぜ!←← ではまた! タイトル:確かに恋だった [*前へ][次へ#] [戻る] |