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Dream
俯瞰風景V




ここは――――。
私は気が付くと,何処かのビルに立っていた。
そこは人がいる気配はなく,シンと静まり返っている…。
辺りをぼーと眺めていると―――ある一つのエレベーターが目にとまった。
そのエレベーターはドアが開いていた。          まるで私に乗れと言っているかのように……。

―――私は,何かに吸い込まれるようにそのエレベーターに乗り込んでいた。






何分乗っていただろう。――――ガコンッと鈍い音がし,エレベーターは停止した。
どうやらエレベーターは最上階の屋上に着いたようだ。
ドアがゆっくりと開き,私は屋上に静かに足を踏み入れた…。


天を仰げば漆黒の闇に包まれた夜空が視界いっぱいに広がっていて,
私はここで初めて今が夜なんだと気付いた。

辺りを見回しても,特に目につくものはなにも…な,に…も?そう思った刹那―――。


私は背後になにかの気配を感じた。
暑くもないのに,額に汗がつたう。静かに,後ろを振り返った―――。

―――ッ?!
振り返って私の目に飛び込んできたのは1人の女の子…。髪は腰まであるのか,とても長く,そしてとても美しく…しかしどこか人間離れしたような存在に見えた。

それもそうだ―――。
彼女は普通の人間じゃありえない,地面に………,足が着いていない。
そう浮いていたんだ。


私はただ黙って、その光景を見ていることしかできなかった。しかしその女の子はゆっくりと私に手を差し伸べてきた。

 〈一緒に飛びましょう〉
確かにそう聞こえた,―――いや。頭に直接その言葉が流れ込んでくるのだ。



私の足は勝手に動いていた。
ゆっくりだが確実に,一歩一歩女の子に近づいていた。

―――止まらない。どうして…。

そんな私をみて,彼女はほくそ笑んで,


〈大丈夫…,何も怖がることはないわ。さぁ,





一緒に飛びましょう?〉








「―――っ!!?」
私は勢い良く飛び起きた。
心臓が激しく鼓動を打っていて,全身からは汗が大量にでていた。
辺りを見回したがあの女の子は何処にもいない。
「はぁ…。そっか。夢,か…」当たり前だ,と片手を自分の額にあてて自嘲ぎみに笑った。
それにしても,また見てしまったのか。でも今回は,少し違う。
いつもなら手を差し伸べられているところで目を醒ますのに。
今回は足が彼女の方に向かっていった。


―――私は応えてしまったんだ。





そう考えたら急に怖くなり…,私は自分の腕で自分を抱きしめていた。


これは夢,そう悪い夢なんだ。夢,ユメ,ゆめ……。

でもなんで―――,何かが引っかかる。なんで,私は何を…忘れている?



そんな時,急に体を誰かに抱きしめられた。
バッと顔を上げて見れば,
  
                            「こうやってさ,心臓の音を聞くと落ち着くんだよ,っておまえがよく昔俺にやってたよな」

―――式だった。
彼女は何処か遠い場所をみるように,そして過去を懐かしむかのようにそんなことを言ってきた。
「ああ,懐かしいね。そんなこと言ってたな」

私はこてと,式の胸に顔を押し付けた。


トク,トク,トク……。
規則正しい心音が聴こえる。
そして,どこかとても温かく,安心する。

私はそっと式の背中に手をまわした。



「不安な時はいつでも俺に言え。俺だけじゃない,幹也に鮮花,橙子だっている。
おまえは…和は,独りじゃないんだ。そこんとこ,ちゃんと分かっておけよ」

「うん…」



あぁ…,私はちゃんと,
―――今(ここ)にいる。










あとがき
うわぁああああ゜Д。!!)←黙れ
式が偽物すぎる\(^p^)/
とんだ萎文すいませんでした;
そろそろ俯瞰風景も終盤に突入ですね。
さて次は多分式が霧絵を殺りにいきます←こらこら
ではまたお会いしましょう◇`)ノシ

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あきゅろす。
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