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Dream
かまわないよ、これはただのエゴだから(空の境界夢,ギャグハー?)


「あれ?ないなぁ…」


久しぶりに本棚の整理をしたら,数冊お気に入りの本が無くなっていた。


「誰かに貸したかな?……あっ!」



あそこにあるかも!

思いだした私は,急いで出掛ける準備にとりかかった。








***


「式?!!これは何なんだ!!!」

いつものように幹也は式のマンションに来ては片づけやら差し入れ(殆ど嫌がらせに近いハーゲンダッツ攻めだが。)を持ってきていた。

今日にいたっては,なにか見つけたのか突如驚きの声をあげた。


「なんだよ,いきなり叫ぶな」

「この本て…式の…?」


青い顔した幹也は数冊の薄い本?を式に差し出してきた。


「この本…」

どこかで見たようなそれを受け取ろうと手を伸ばした。


バタンっ!!
突然ドアが閉まる音がする。見ればインターホンも鳴らさず勢い良く部屋に入ってきたのは和だった。
「式ー。あたし昨日何冊か,…ってそれ!」

受け取ろうとした本を見た和は嬉しそうに駆け寄ってくる。
「なんだ,やっぱり和のか」


「良かった〜。式の部屋に忘れてたんだ」

「お前人の部屋に来るのはいいけど,あんまモノ置いていくなよ」

「ごめん,ごめん。以後気おつけます」

そう言いながら和は受け取ったその薄い本を楽しそうにペラペラとめくっている。

「前から気になってたんだけど。和がいつも読んでるそれ,なんなんだよ?」

「あぁ。これ?これは……て,ねぇ式。さっきから幹也動かないけどどしたの…?」

先ほどから隣で固まっている幹也に気が付いた和は訝しげに見つめる。

「その本見たら急にこんなんになっちまった」

「え…?!,幹也…これ見たの?」

「多分」


「あ…れ」

「お,幹也が起きたぜ」

今まで気絶?していた幹也がやっと目を覚ました。

「あれ…僕今まで。て式っ!?あの本はって―――,和?いつのまに」

和の存在に気が付いた幹也は目をまるくして驚く。

「お,幹也おはよう。ついさっき来てね,この本取りに」

「それは!!?」

「幹也が見つけくれたんでしょ?ありがとう。無くしたかと思って焦ったんだよね〜」

あはははと笑いながらその本をひらひらと幹也に見せる。
それを見た途端,また幹也の顔は真っ青になりわなわなと肩を震わせる。

「その本は…和の?」

「これ?そだよ。私の同人」

「どうじん?」

式がわけがわからないという顔をする。

「同じ人って書いて同人」

「いや,うん。それは分かったけど。その同人ってのは結局何なんだい?」


「何って。幹也は見たんならわかるでしょ!そう…これは腐女子にとっての萌の供給源!!言わばこの同人は私たち腐女子の夢が詰まっているんモノ!!!」


拳を握りしめ力説する和。しかし,意味不明な単語が飛び交う和の説明では幹也も式も分かっていなかった。

「ちょっと貸してみろ」

式は和が手にしている同人の一冊を手に取り,ページをめくりだす。

「式!!やめておいたほうがっっ」


幹也の忠告も虚しく式は同人を読み始める。



数分…





突然手に持っていた同人を式は勢い良く床に投げ捨てた。

「式!!?何してんのっっ!」

慌てて拾いどこにも傷がついていないか確認する和。

「何してんのはこっちの台詞だ!!!なんだその無駄に肌色率の多い男同士の絡み合いは!!?」
「だからそれが同人なんだよ」
まぁ,肌色率高いのは発禁だからかな,と真顔でさらりと和は言った。その瞬間,ブチっと何かが切れる音が…

「おお落ち着いて式!とりあえずその手に持っているナイフをしまって!!」

「離せ幹也!オレはこの忌々しい同人てやつを殺らなきゃきがすまない!」

魔眼発動の式。
愛用のナイフを持ってじりじりと和に迫る。

「あれ,式には骸ツナ駄目だった?ジャンプ系は人気なんだけどな…それならリョマ塚やサスナルは?あとはガンダムとかでティエ刹…あ―もちアレ刹も。阿三やスザルルとか弓士,悟圭,最近はヘ○リアとかも―――」

そんな式にも気付かずに和は何やら他ジャンルをぶつぶつと言い出す。

「あ,もしかして式ノーマル派か!でも残念私ノーマルは乙女攻め派なんだよなってぇええぇええ?!?」

我慢の限界か式はナイフを振りかざす。勿論,和が持っている同人目掛け。押さえていた幹也は端でのびていた。

「何やってんの危ないって式!!!」

「危ないのはお前の頭だ!!いいからその本寄越せ。オレが責任もって全て殺してやる!」

「それは駄目!!まだ読んでない新刊が―――」


《I'm calling 君を守ってあげたくて〜》

突如どこからか聞き覚えのある歌が流れ出す。

「あ,私のだ」
どうやらその歌の発信源は和の携帯。

「えっ,もうこんな時間!やば。ハガレン始まっちゃうよ,んじゃ式私帰るね!!」

「ちょ,まて和!」





式の言葉も聞かず,和はさっさと部屋が出て行ってしまった。


「…たく,アイツ。いつのまにあんな物に目覚めたんだ」





***

「ということがあったんですよ。って橙子さん…,何笑ってるんですか」

幹也は橙子につい先日に起きたあの出来事を話す。
しかし橙子はその話を聞きくつくつと笑いをこらえている。

「いやぁすまない黒桐。それで,そのあと和はどうしたんだ?」

「僕が気絶している間に帰りましたよ」

不満そうに先ほどいれてきたコーヒーを橙子のデスクに置く。
「それにしても和が腐女子だったとは…」

「橙子さん,腐女子って知ってるんですか?」

「私も詳しくはしらないが,最近そういう人種が増えているらしいからな」

そう言って橙子はデスクに積んである一冊の本をおもむろに開きだす。

「なんですか,それ?」


気になった幹也は恐る恐る橙子に尋ねる。

「これか?いや,お前も気おつけた方がいいぞ」


ほら,と本を手渡される。


「…?」










その本のタイトルは…

新刊:幹也総受け「境界 幹」










あとがき

あぁああもうほんと,逆転ネタの次は腐ネタ…/(^p^)\わけわかめ駄文で…すいません!;
次回は甘とかほのぼの書きたいな…←無理
ちなみにBLカプや最後のとかは完璧管理人の趣味です


では此処まで読んでいただきありがとうございました!



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あきゅろす。
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