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Dream
俯瞰風景U

「こんばんは。相変わらず気怠そうだね,式」

僕はハーゲンダッツが入っているコンビニ袋を片手に式の部屋を訪ねた,が既に先客がいた。

「和来てるんだ」


持ってきたハーゲンダッツの袋を式に投げ渡し,靴を脱いで部屋に上がった。緩慢な動作でコンビニ袋を確かめていた式だったが,諦めたようにハーゲンダッツを冷蔵庫の中に入れていた。
ベッドの上を見てみると和が気持ち良さそうに寝息をたてている。

「和どうしたの?」

「さぁな」

「さぁなって…」

冷蔵庫の前にいた式に聞いてみたが,どうやら彼女は答えるきはないらしい。しょうがない,和が起きたら聞いてみることにしよう。


「実はね,ここに来る前に事故にでくわしたんだ。ビルの屋上からさ,女の子が飛び降り自殺。最近多いって聞いてたけど実物に遭遇するとは思わなかったな」

先ほど,式の部屋を訪れる前に遭遇した出来事を話した。その時妹,鮮花の言っていたことをふと思い出した。

「そういえばさ。うちの鮮花が見たって」

「え―――?あ,悪い,聞いてなかった」

式はなにやら考えごとをしていたらしく,僕の言葉をもう一度聞き返してきた。

「うちの鮮花がみたんだって」
「…?見たって,何を」

「だから例のアレ。巫条ビルの女の子。空,飛んでるってヤツ。式も一度みかけた,って……式?」

式は何かを納得したように,そういうことか…。でもなんで…あいつの夢に…?となにやらブツブツ呟いている。今日の式は何か変だ。

「ねぇ,どうしたの。さっきから?」

「いや…,和が変な夢を見るって。今さっき相談されたんだよ」

眠っている和に式は視線を向けた。
今さっきというのは,きっと僕が来る数時間前のことだろう。それにしても…相談だったら,僕にしてくれてもいいじゃないか。まぁ,僕なんかより幼なじみの式の方を頼りにしてしまうのは分かる…でも,もう少し……もう少し僕に頼ってくれても――――。

「それで,変な夢って…?」

「ここ最近,ビルの屋上で,浮いている女を見るらしい」

浮いている女…?それって…。式はそんな僕の考えを察したかのようにこう続けた。

「きっとそのビルってのは,あの巫条ビルのことだろうな」

「なんでまた和が…」
「俺もそれを聞こうとしたが…,そこで上手いタイミングでおまえが来たってわけだ」

そう言って式は意味ありげな笑みを僕に向けてきた。
いや,僕だってまさか二人がそんな話をしてる最中だったなんて知りもしなかった。

「俺はそのまま続けろって和に言ったんだけどな」

式はその時を思い出しているのか…少し不服そうな顔をしている。
「だから出てくるの遅かったんだ…」

それを聞いて納得した。そして次に僕は和にとても感謝しなければいけないと思った。もし…まぁ,有り得ない話だろうが,和がそんな式を咎めずに話を進めていたら,間違えなく何時間も僕は玄関の前で待たされていただろう。


「幹也。人が空を飛ぶ理由ってわかるか?」
式は和が寝ているベッドに腰をおろしながら,不意に僕に切り出してきた。
僕はその疑問にさぁ,と首をすくめて,

「飛ぶワケも落ちるワケもわからないよ。だってまだ一度も,僕はやった事がないからね」


そう当たり前な応えを返したのだった。






あとがき
主人公寝てますね笑
そして省きすぎてもう何がなんだか;←←,毎度のことですが,文才なくホントすいません(土下座
映画と小説版に沿った話とか言ってましたが,今のトコ完璧小説沿いに…ort
でもハーゲンダッツは食べさせたいで,す!゜∇。)←どんな願望v)
では,次の話でまたお会いしましょω`)ノシ

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