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Dream
第2話


外に出れば冷たい風が頬を掠めた。
ちなみに今は12月,あと何日か行けば冬休みだ。
街はクリスマスムード一色。
俺はそんなイルミネーションやら綺麗に飾られた街を抜けて,ひとけのない舗装されていない道にでた。


「…?」

どの位歩っていただろう。ふと,道の端でうずくまっている何かに目が止まった。
ーーーーー子供?


気が付けば俺は,その子供に話しかけていた。



「どうしたんだ。こんな時間に,お母さんは?はぐれちまったのか?」

なるべく怖がられないように,その子供と同じ目線にしゃがみこみそう問いかけると,突如その子供は勢い良く顔を上げ,目を丸くして俺を凝視した。




すごっ…,さっきまでうずくまっていたからよくわからなかったけど,その子供は髪が銀色で目は紅い…。

明らかに日本人ではない容姿。てか外人でもこんな見た目してるやついんのか?。着ている服だって,中国の民族衣装…何だっけ,チャイナ服?にしても袖長いなあ。引きずっている状態だ。


「まさか…日本語,わからない?」


「………」


やべぇえ!?俺英語,ましてや中国語なんか話せねーよ…。
こりゃ警察に連れて行ったほうが……。
俺が一人で頭を抱えテンパっていると,くいっと袖を引っ張られた。


「ん?どうした」


「主…。主…名前…は?」


ぬ…し?もしかして俺のことか?。変わった話し方をするな,でもどうやら日本語は通じるらしい。俺はひとまず安心した。


「俺はちか,佑月智香。君は?」


「ちか…?」


「そう。智香」


俺の名前を聞いて子供は何か納得したように,うんうんと頷いている。
そうかと思えば,突如その子供は俺の首もとに抱きついてきた。


「うわっ!?ちょ!どうしたっ」

「やっと会えた!やっと…ちか!ちか!」


どうやらこの子供は俺に会いにきたらしい。…それにしても,俺…この子とどっかで会ったっけ?。

そんな俺もお構いなしに,子供は俺の手を掴み,凄い勢いで車の走る道路に向かって走りだし,…え?ちょ!!まて!!。
てか向こうから普通にトラックが来てるんですけどぉおぉおぉお!!?


ヤバい!轢かれるっっ。トラックが間近に迫り,俺は反
射的にぎゅっと目を閉じた。



〈大丈夫。…マスターは…我が守る…から〉



頭に流れ込んでくる落ち着いた声。
この声…あの時の…。

あぁ,そうか。あの時俺が聞いた声は,おまえだったんだ。




そこで俺の意識はぷつりと途切れた。




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