□小説(ダーク系)@ 3P 「まさか…池田(いけだ)なのか?」 池田 登(いけだ のぼる)確か中学2年生のときの同級生だ。 身長が低くて細くて大人しくてクラスメイトにとって恰好のいじめの対象だった。 亮二はそういったことが好きではなかったのだが、庇ってやれる程自分も強くなかった。 せめてはと池田に対して、無視したりとかせず普通に話しかけてやっていた。 そして池田は、2年生の冬休み前に両親が事故にあって亡くなり、遠縁の叔父夫婦に引き取られることになって転校した。 「そうだよ、池田だよ亮二くん」 池田は嬉しそうに笑った。 「お前、何でそんな恰好…」 「僕さ、亮二くんのことが好きだったんだ」 「俺の…こと…?」 「そう。言っとくけどいじめられなかったからじゃないよ、その前から好きだったんだ」 忘れかけていた同級生に、しかも同姓に告白されて亮二の頭はパニックをおこす。 「待てよ、だからって女の恰好して俺をこんな所に閉じ込めて、こんなものつけるなんておかしくないか?」 池田はくすりと笑う。 「だってさ、こうすれば亮二くんは僕だけのものになるだろ」 「偶然だけど、この屋敷が手に入って……。 ああ、僕を引き取った叔父さんは金持ちだったんだよ。 僕はこの町に戻ってきて…そこで亮二くんを見つけた」 池田は続けた。 「はじめは見ているだけでいいと思ったんだけど、だんだん我慢ができなくなって」 「だからってもっと普通に会いに来てくれれば俺だって」 亮二は半分怯えながら言った (こいつ頭がおかしいのかもしれない…) 「亮二くんは、昔の同級生しかも、同姓の僕が告白しても普通に受け止められられるの?」 「うっそれは…」 亮二は言葉に詰まる。 「ほらね、でも大丈夫。 男同士だってちゃんと愛し合えるんだから亮二くんは心配しなくていいからね」 「愛し合えるって…」 亮二は池田の顔を見つめた池田は小悪魔的に口の端を上げて笑った。 「僕はね引き取られてから、叔父さんに女の子の恰好をさせられて毎晩可愛がられたんだよ」 「池田…」 「そんな顔しないでよ亮二くん、そりゃね、はじめは嫌だったさ。 でも継続って怖いね、次第に僕にとってそれがあたり前になったんだよ」 池田の細い腕が亮二の頬に伸びる。 転校してからかなり背も伸びたようだが、それでも亮二に比べると華奢で女装が似合うのもわかる気がした。 「っよせよ!触るな!」 亮二が池田を突き飛ばすと池田は簡単に後ろに倒れこんだ。 「やっぱり、力じゃかなわないね。仕方がないなちょっと弱ってもらうよ」 そう言うと池田は部屋のドアを閉め鍵を閉める。 「!池田!どこにいくんだよ!俺をここから出して…」 亮二の声は重いドアによって遮断された。 [前へ][次へ] [戻る] |