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□小説(ダーク系)@
7P
「ほどいていいですよ」
灯の許可が出るや否や、清流は震える手で自分のペニスを縛る紐をほどいた。
「あっああ――っ」
「よく我慢しましたね、さすが兄者。
それに、今日はとても良くできました。
子供ができるのも、もうすぐかもしれません」
「……早く、欲しいな」
清流はぐったりと床に寝ながら言った。
「そうですね。早く欲しいですね」
灯はどこか寂しそうに笑った。


「100度…終りましたね。
100度が終わった明日、いよいよですね。
清流さんの体は、灯様を受け入れることが当たり前に
なってますからきっと、きっと子供が、お二人の子供ができます」
栗鼠は、静かに寝息を立てる清流を起こさないよう小声で言った。
「次こそ。
神様なんていないとわかっていても、神様に祈りたいよ。
いや、私は神様より魔物に祈ったほうがいいのかもしれないね」
灯は目を閉じ、大きく何度も息を吐いた。


「兄者?」
灯は清流がいそうな部屋を回るが、その姿はない。
「栗鼠!栗鼠はいないか!兄者がいないんだ、どこに行ったのかわからないか」
灯は大声で栗鼠を呼んだ。

「ボクはここです」

庭先から栗鼠の声が聞こえ灯は窓を開けた。
「栗鼠!兄者を……」
そう声を掛けた灯は、栗鼠の横に立つ大柄な男の肩にかつがれた清流の姿を見て目をみはる。
「貴方の大切な、大切な兄者は、犬吠村が欲しいそうなので差し上げました」
「なっ……」
「『忌者』同士で、100度の契りが終わった貴重な『忌者』。
本当に子がなせるのか、生まれた子は一体何者になるのか、わが村で確認させていただく。
取返しにきたくとも、村が全滅では無理であろう」
大柄の男は笑うと手をパンと叩いた。
茂みから5、6人の男達がでてくると、丸い樽に清流を入れ背に担いだ。
「兄者!!」
灯は姿を白い狼に変え、それを追おうとした。
「追わせませんよ」
茶褐色の狼がそれを阻む。
「なぜだ!栗鼠!お前はわが母を慕い、私に尽くしてくれると言っていたのではないか」
「……愚問ですね。
ボクが慕う柚子様を、貴方は殺した…」
灯の動きが止まった。

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あきゅろす。
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