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□小説(ダーク系)@
1P
100000キリバンリクエスト
「蜘蛛の巣C」
(刹那の逃亡)
闇花さんよりリクエスト♪
この小説は闇花さんへ捧げます。
◆◆◆   ◆◆◆
まえがき
キリバンリクエストになりますが今回もこちらにて更新することに致しました。
キリバンの順番が変わってしまい申し訳ございませんがご了承頂けると幸いです

◆◆◆  ◆◆◆
「……まさか、本当に?」

俺は、今だに信じられないというような顔で辺りを見渡した。
そこは、コンクリートの壁に覆われた、昼でも薄暗い地下でもなければ、外から鍵がかけられた出口のない大きな屋敷の室内でもなかった。



―1時間前…

「亮二くん、ちょっと出掛けてくるからね。
いい子にして待っててね」

池田に頬をサラリを撫でられて俺は少しだけ、顔をゆがめた。
あまりあからさまに嫌な顔をすると、後が恐ろしいことは骨身にしみているからだ。

「……ああ」

「ふふ、僕がいなくなると寂しい?」

「…」

(そんなことない!お前がいないほうが、どんなにいいか。
もう二度と帰ってこないくてもいいぐらいだ)

俺は、池田の問いに心の中でだけ返事をし、黙って立上った。

「じゃあ、いってきます」

明るい池田の声を聞きながら、俺は重い足取りで地下へと向かった。
『僕が出掛ける間は、地下で待っててね。
僕が帰ってきて地下にいなかったら、お仕置きだからね♪』
池田の決めた勝手なルール。
しかし、俺にとっては必ず守らなければならなかった。
守らなかった時のお仕置きだけは、どうしても避けたかったのだ。

「……家、家に帰りたい。自由に、普通の生活に戻りたい」

地下のベッドの上に寝転び天井を見つめながら、俺はボソリと呟いた。
言葉が目に見える形で口から出てくるならば、この天井は、俺のこんな呟きに埋め尽くされているに違いなかった。

コトリ…

一人地下にいる、俺の耳に何かが床に落ちるような音が入ってきた。

(なんだろ?)

いつもなら気にもしない程度の音だったが、今日はどうしてかわからないが気になった。
そこで俺は地下から出て音のした方、玄関へとゆっくりと向かった。

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