□リクエスト小説@
8P
「おっ俺は、男を抱く趣味はないっ!!」
「残念。抱くのは僕で、抱かれるのはお前だよ、川名」
にっこり笑って神田に指をさされた川名は、一気に血の気が引いていくのを感じた。
(こいつ、変態だ。
マジ変態だ、超変態だ!
頭が良すぎると反対に変になりやがるんだ。
絶対に、かかわらないのがいいタイプだ)
「は、ははは……悪いけどよ、俺はどっちにしてもごめんだ。
もうお前につっかかったりしねーからさ、お前も俺に近づいてくんなよなっなっ」
ジリジリと図書室の入口へ脚を運んでいこうとする川名の手を、もう一度神田が掴んだ。
「逃げも隠れもしないんだろ?
なら堂々と僕の気持ちを受け止めてもらいたいんだが」
「冗談じゃねえよ!
誰が、んな気持ち受け止められるかってんだ!!
俺になんかしてみろ、ただじゃおかねーからな」
「ふーん、いいタンカだ。
僕は真面目で優等生で、思い込んだら一筋だからな。
覚悟しておいてくれ」
(覚悟しておいてくれってなんだよっこらっ、いいからその手を離しやがれ)
川名は顔を引きつらせながら、神田に掴まれた腕を振った。
「本当にそんな態度が、僕の心をくすぐるんだよ」
―!―
「放せっ!神田!
放せってんだよ」
掴まれた腕を強く引き寄せられて、神田に抱きしめられた川名は血相を変えて叫んだ。
「これからゆっくりじっくり攻めて、おとしてやるからな川名」
そう耳元に囁かれて川名は目の前が真っ暗になった。
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