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□リクエスト小説@
2P
アンジェは何とかごまかそうと必死だった

「へぇー親切なんだね貴方って、それならそのお礼にこれ」

天使はアンジェに白い花を一輪渡す

「あっありがと…う」

(天使ってのは疑うこと知らないって本当だったのかよ)

アンジェは受け取った花を見る

「ねぇその花いい香りがするんだよかいでみなよ♪」

「えっそっそうなんだ、んっ本当にいいかお…」

アンジェは軽い眩暈を覚える

(アレ?なんだよー世界が回る〜天使が何人もいるぞー)

アンジェはそのまま草むらに倒れ込み何もわからなくなった。



「あんがいチョロいな、悪魔って
狡猾でずるがしこくて卑怯な輩って言うから用心してたのにさ。
それにしても
汚ったねーな、髪は伸ばし放題でボサボサ顔は薄汚れてよくわかんねー」

その天使は子供とは思えない表情をつくる

「上に戻って綺麗に洗ってみて、気に入らなかったらまた下に叩き落としてやればいいか」

自分より何倍も大きいアンジェを軽々と背負い天使は羽を広げて空へと飛び立った



「…へっここどこだ?」

目を覚ましたアンジェはあたりを見回して目をパチクリさせた。
とにかく白、白、白の真っ白な世界。
今まで生活していた薄暗くて濃い色の世界とは全く異なる場所だったからだ。

「ーって目がチカチカするぜ」

アンジェは目を押さえる

「そうだろうな。
あんな汚たない世界にいたんじゃここは眩しいだろうな」

「誰だ!」

その声の主にアンジェは息をのんだ

(マジ…めちゃくちゃ綺麗だ。
こんな綺麗な天使がいたのか)

「そんなに天使が珍しいのか悪魔さんよ」

天使はリンゴをかじりながらアンジェの側にくる

「めっ珍しくなんてない!
それよりここどこなんだよ教えやがれ!
この天使野郎!」

「おおーさすが悪魔さんは柄が悪い
いいよ教えてやるよ。ここは天界の俺の家の中」

「天界…」

アンジェはしばし固まる

「しっかしお前汚ったねーな。
風呂に入ってるのかよ?」

「入るわけねーよ。
悪魔は汚れてなんぼだぜ。
なんならこの部屋全部汚してやろうか」

その天使は笑いを浮かべ指をパチンと鳴らした

「それは困るな。ブゥ、ルゥこいつを風呂にいれてやれ」

『はいっ』

アンジェの両隣に角を生やした少年が現れ、アンジェの両腕をそれぞれがしっかりと掴む

「このガキども!はなっ離しやが…れ」

?(なんだよこいつらビクともしない、なんて力だよ)

「ハハハ、そいつらは力の象徴である雄牛の角の精霊だからな。
力じゃ勝てないぜ。
見た目で判断すると痛い目をみるからな」

「ちくしょー離せ!離せ!こうなったら…」

(アレ?)

アンジェは魔力を使おうとして違和感を感じた

「魔力はここに連れて来るときに、封じさせてもらったよ」

天使が微笑む

「あの小さい天使…ってお前だったのか?」

「そうだよバカな悪魔を捕まえる為に変化してたのさ」

「バカな悪魔だって!」

天使に突っかかろうとしたアンジェだったが、ブゥとルゥに反対方向へ引っ張られてなんともならない

「俺をどうするつもりだー!」

「さぁね後は風呂からでてきたときのお楽しみ♪」

(それなりの容姿をしていることに期待してるよ♪)

天使いやヴィルは風呂場に消えたアンジェに軽く手を振ってみせた。

「ぎゃあぁぁぁぁー」

浴場にアンジェの悲鳴が響き渡る

「もうなんて汚いんですか貴方は。
擦っても擦ってもお湯がすぐに真っ黒に…」

「あっ逃げないで下さいまだここも洗わないと」

「ーってこのガキー!大人しくいう事を聞いてやってれば好き放題しやがって、俺は風呂が大っ嫌いなんだここを出せー!」

暴れるアンジェにブゥとルゥは同時に口を開く

「ダメです頭のてっぺんから足の爪の先まで、綺麗にしないとヴィルさまにしかられます」

二人はそう言いアンジェをけして離そうとしない

「あの腹黒天使はヴィルって名前かよ。
ならそのヴィルに俺から言ってやる…
わーっよせ!やめろぉー!」

アンジェは浴槽へと勢いよく沈められた。




「ひいっ冗談じゃねー
しっかし俺の体って以外に白かったんだな…
くぅー色黒だと思ってたのによ」

アンジェは汚れをおとされて艶々スベスベになった自分の腕や足をみてため息をついた。
浴場から出たあとブゥとルゥを振り切り、この白で統一された屋敷の中をアンジェは逃げ回っていた。
身に付けている服は白いロング丈のかぶるタイプの簡素な服で、その上下着を身につけていないせいで、下がスースーしてどうにも落ち着かない

「…何とかしてここから出て魔界に戻らないと」

アンジェは隠れていた柱の陰から回りの様子を伺おうと顔を出した。

「やばっ!」

アンジェは思わず固まった。
なんと自分の正面に同じようにして、アンジェの方を覗き込んでいる奴がいたのだ。

(…こいつも天使か?いや髪の色が黒い……俺と同じようにあの天使野郎に連れてこられた悪魔なのか?)

アンジェの正面にいる人物は、腰まで伸びるカラスの濡れ羽色の黒髪が白く透き通るような肌を引き立て、瞳の色は深い赤葡萄色でなんともいえないあやしい色気を持っていた。

(あの天使に負けず劣らず綺麗な奴だな。
それにしても俺が見えてるはずなのに、何も言ってもこないし、動こうともしないな?
強面な悪魔の俺にびびってるのか)

「お…い?」

アンジェはそいつに手招きした。
すると同じように奴も手招きをする

ー?−

アンジェは自分の中に浮かびあがる事実を必死で否定した。


(まさか!まさか!まさかアレは!)

「うわぁぁぁぁ!」

アンジェは勢いよくそいつに向かって走り、ゴツンとぶつかり尻もちをついた。
そんなアンジェの目の前には大きな鏡が備え付けられていた。


「――見つけたぜ悪魔」

アンジェはその声に振り向いた

ピュー♪
天使はアンジェの顔を見てちょっとばかり間をおいて軽薄な口笛を吹いた。

「おいおいこりゃマジすごい拾いもんだ。
悪魔にこんな綺麗な顔してる奴がいるなんてさ」

「さっ触るな!この性悪天使!」

アンジェは伸びてきた見とれるほどの繊細で綺麗な手を叩く

「触るなって言ってもな。
これからお前を犯してやろうと思ってるから無理だろ」

「ブッ犯し…って、てめー何考えてやがる俺様を誰だと思う!
俺様はだな魔界でも一、二を争う極悪悪魔なんだぞ」

アンジェは精一杯の虚勢をはった

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