□リクエスト小説@
4P
「これ…」
俺は書かれた文字を読んで顔色を変えた。
「さっきね♪
鬼頭くんの家に行ってご両親から貰ってきたんだ。
もちろん君をね」
震える手で俺はその紙を握りつぶした。
紙には親父の字で
“息子の幸一(こういち)は斉藤家に養子にだします。
今後幸一がどうなろうと私どもは一切関与致しません”と書かれていた。
「はいこれが養子縁組の書類」
俺は、その紙を掴んで破ってやろうとしたが、紙はスルリと俺の手から逃げ斉藤先輩のポケットにおさまった。
「大変だったよ。
鬼頭くんのお父さんったら、鬼頭くんみたいに気が短くてケンカっぱやくてね。
若い衆が殴られちゃってさ」
親父が気が短くてケンカっぱやい?…
俺の知っている親父は、滅多なことで声を荒げたり人に手を上げるような人間じゃなかった。
反対に寡黙(かもく)で人と争うのが嫌いだった。
「――親父…」
そんな親父が声を荒げて暴力をふるってまで、俺の為に抵抗してくれたのかと思うと涙が溢れてきた。
赤茶色の染みはおそらく血の跡なのだろう…。
「安心してよ。
僕は鬼頭くんをちゃんと大事にしますって約束してきたからね」
「…の野郎!この気狂い野郎!
なんでこんなことするんだよ!
俺が憎かったら俺にあたればいいだろ」
「?こんなに好きな君を憎むわけないでしょ。
好きだからこそ側にいて欲しいんじゃない」
「俺を好きって…本気で?…」
俺は先輩の顔を見つめた。
「本気だよ、鬼頭くんを今すぐにでも抱きたいくらいだよ」
先輩はそう言うと笑った。
その笑顔はいつもの笑顔と全く同じものだった。
◇
「ぐっ…ううっ…くっそー」
俺は、体中が痛みボロ雑巾のように床に倒れていた。
「あ〜あ抵抗なんてするからでしょ」
先輩が俺の髪の毛を掴み上へと持ち上げた。
「…だっ誰が…大人しく言うこと…なんて聞く…もんか…」
俺は持ち前の喧嘩の腕で先輩を、いや、こいつを打ちのめすつもりだったが、突然入ってきたあきらかにヤクザの下っ端の奴らにボコボコにやられてしまった。
「まあいいでしょ。
君のそんな気の強いところも好きだしね。
おいっ、お前ら彼の服を脱がして押さえつけろ」
「いっ嫌だ!…何すんだ!…よせ、よせよ!」
たった一人の俺に対して相手は多勢。
ボロボロになった俺が、今更敵うはずはなく、伸びてくる手を払いのけていたつもりだが、それ以上に服はどんどんと剥ぎ取られていった。
「ずいぶんと痣になってるね…」
裸にされ床に仰向けに押さえこまれた俺の肌に、先輩の冷たい手が触れる。
「さっ触るな!…この変態ヤロー…」
「鬼頭くんが殴られているときゾクゾクしちゃったよ。
だけどまだ物足りないねもっと見たいな」
先輩は立膝をついて、俺の脚の間に体を無理矢理押し込んだ。
「ごめんね変態で」
「いっ痛っ!」
次の瞬間胸の真ん中にチクリとする痛みを感じて俺の体が跳ねた。
痛みのある部分を見ると、俺の胸には5pほどの細く赤い線が浮かび先輩の手には短刀が握られていた。
「暴れたりしたら、グサッといっちゃうでしょ、ほら…」
「あっ…いっ痛っ痛い…」
何度も何度も短刀で薄く切りつけられ、俺は痛みと恐怖で顔を引きつらせた。
「いいねその顔。
僕、興奮してきたじゃない」
先輩はそういうと自分の股間を指差した。
そこはズボンの上からもはっきりわかるほど、盛り上がっていた。
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