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□リクエスト小説@
最終P
「うわぁーーやめろ!」

足のすねにまたあの針を打たれ俺は叫んだ。

「少しづつ君は私のものになっていくんですよ、少しづつね。
人形の方も着実に出来上がってますから、楽しみにしていて下さいね」

(神様…)

俺は信じてもいなかったものにすがる。
今の俺に出来るのはそれぐらいだったからだ。



それから毎日毎日奴にいたぶられ、そのたびに体の要所に針を打たれ、俺は正気を保つのがやっとだった。

(昨日は腕の付け根に打たれた……その前は腰に……このままじゃ全身に)

「明日で約束の二ヶ月目ですね。
人形の完成にむけて最後の仕上げにかからないといけないですから、今日は君の相手をして上げられないんですよ」

俺はホッと胸を撫で下ろす。
いたぶられ続けたせいで、体の方も悲鳴をあげ初めていたからだ。

「だから今日は、あの子達に君の相手をしてもらうことにしましたよ」

(あの子達?誰のことだ?)

奴は部屋の襖を開け放す。

「さぁおいで」

キリキリと木が擦れあうような音と共に、二体の人形が現れた。




「いっ…いやぁ…ああっやだ、やだ…ぁ」

畳に敷かれた絹の着物を乱し、俺は喘ぎ続けていた。
一体の人形に両手と両足をV字にしっかりと固定され、もう一体の人形に突き上げられていた。
人間のそれとそっくりなものは、人間では不可能な動きで俺を快楽に狂わしていく。

二体共人間そっくりな外見だが、顔には般若と能面の仮面が掛けられ顔の造りはよくわからない。
仮面の目の丸い隙間から、ガラス玉の目が見え、それが光や動きによって揺れ不気味な影を映す。

「んあっ…はぁっん…ああ」

俺の声に反応するように人形も動きを早めた。
…これは奴の作品の一つ。
あと何体こんな人形があるのか……俺は乱れる息のなかうすぐらい部屋の隅を見つめつづけた。


「おっ秀モデルはどうだった?」

「お兄ちゃんが二ヶ月間いなくて寂しかったんだよ。
ほら彼女の香(かおり)さんも一緒に迎えにきたんだよ♪」

俺は苦笑しながら頭をかく。

「んっーやっぱり思ったより大変だったよ。
動かないってのも肩こるよな」

「そうか、そういえばお父さんな次の仕事が見つかったぞ。
お前のおかげで気持ちに余裕ができたのかな、金に余裕があっても仕事してないと暇でな」

「なんだよー。
人が頑張って金稼いだのにさ。
でも、良かったな俺はしばらく遊びまくりたいよ」

大きく伸びをした俺のシャツの裾を香が引っ張る。

「そうね二ヶ月もデート我慢したんだから。
いっぱいデートしてよね」

「わかったよ香」


家族と恋人…俺であって俺でないやつが幸せそうな顔をして帰っていく…

「どうしましたか?
ふふ、よく出来ているでしょうあの人形。
誰も疑いなんてもちませんよ」

俺は奴の屋敷の窓から皆が去っていく姿を見て、涙が止まらない。

(俺は、本当の俺はここだ!そいつは人形なんだ!)

「君はまだ完成ではないですからね。
さあおいで、今夜もたっぷり可愛がってあげましょう」

俺の両手は奴の腰へと伸び、しっかりと奴に抱きついた。
そして、豪華な化粧を施された着物が俺の肩からそっと脱がされ畳へとすべり落ちた。
全裸になった俺の体のあちこちには赤い糸がまとわりつき俺を奈落へと導いていった。

「君も近いうちに完全に、私の人形になるのです。
楽しみですよとても……」

〜完〜
◆◆◆あとがき◆◆◆
束縛に放置についでに人形プレイ(笑)も少々たしてみました。
お話としてはファンタジーホラーになるかのな?
一体紫藤院さんは何者なのか?
非現実的な話しだといろいろ遊べて楽しいです♪(おいおい)
和風がイマイチ表現できずすみませんでしたー
それではリクエスト
ありがとうございました♪


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