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□リクエスト小説@
1P
10000バンキリバンリクエスト♪
★人形食い
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10000バンキリバンリクエスト♪
虎菟さんへ♪
(人形師×(人形のモデル)の青年
緊縛・放置
◆◆◆まえがき◆◆◆
虎菟さんより
リクエスト頂きました
ありがとうございます♪頑張ります。
*因みに「人形食い」と辞書をひくと
美貌にだけ目をつけて人をえりあさること。またはそれをする人とありました(笑)
◆◆◆   ◆◆◆

…体が動かない…

自分の体なのに俺は指一本自分では、動かすことは出来ない。
出来きるのは奴だけだ。
そう俺は奴の人形なのだから。

「秀(しげる)お前人形のモデルになってくれないか?」

そう言ったのは、30年も勤めた会社をリストラされた親父だった。
次の職場もなかなか見つからず親父は半分ノイローゼ気味だった。

「人形のモデル?」

「ああ、実はかなり遠縁になるのだが、人形師で人間国宝とも言われる本家の方が、新しい人形のモデルを探しているらしいんだ」

「でなんで俺なんだよ」

「今回のモデルは男で20歳〜25歳ぐらいを希望されているらしい、お前今年で24歳だろう」

「んっそうだけどさ」

俺は両肩を痛いほど強く握る親父に、怖いものを感じる。

「モデルに採用されるかどうかはわからんが頼む!この通りだ」

確かに我が家は親父の収入がなくなり、母さんがパートにでてはいるがその収入は微々たるものだ。
俺にしてもなかなか就職が出来ないでいた。
妹の沙織(さおり)は高校三年生、来年には大学に行きたいと言ってはいたが、今の家庭の状況を察して口には出さなくなった。

「…わかったよ、でも俺なんかが採用されるとは思わないけどな」

「そう言うな秀お前なら大丈夫だ」

こうして俺はその採用会場となるその本家のお屋敷へと向かった。


「なんだよ…これ本当に個人の家かよ」

俺は自分の家よりもデカイんじゃないかというほど高さの門構えにどこまでも続く白壁に圧倒された。

「本当だな父さんも、ここまでのものとは知らなかった」

俺と親父はしばしその門の前で立ちどまる。
一般人が気軽にお邪魔するような雰囲気ではなかったからだ。
おそるおそる親父が、インターフォンのボタンを押す。

「…どちら様でしょうか?」

インターフォンから年配の男性の声が聞こえた

「あっあのその…モッモデ…モデルの…えー」

緊張しているのか親父の声は裏返っていた。

「はい伺っております。
モデルの面接に見えた方ですね失礼ですがお名前は?」

「はっ村瀬(むらせ)と言います」

「村瀬さまですね。
ではどうぞ」

大きな木の門が軋みながら開いていく。

「すげー門だな、なっ親父」

「あっああ、見ろ庭もすごいぞ」

どこぞの国宝級寺の庭のように、みごとに計算された日本庭園が目の前にひろがった。
屋敷の中へと入った俺達だが、玄関に入ってまた驚かされた。
俺の部屋、いやそれ以上の広さの玄関で、素人目にも高価なものだとわかる屏風が俺達を出迎えていた。
そして、これまたどこまで続いているのかわからない廊下に声も出ない。

「おっおい親父いくら本家の人間だってすごくねーか?
本当に家の遠縁にあたるのかよ」

「それだけは確かだ。
それに募集の案内もきちんと送られてきたんだからな」

「そういえば聞いてなかったけど、モデル料っていくらなんだよ」

「そっそれはな……」

親父は口ごもった。

「私についてきて下さい。
何分大きなお屋敷ですから、はぐれますと大変ですよ」

いつの間にそこに立っていたのか、インターフォンの声の主であろう初老の男が立っていた。
和服を着こなし芸術家風で、ぱっと見この男が人形師本人かと思ったほどだ。

「あっはっはい」

俺と親父は慌てて靴を脱ぎ初老の男のあとについていった。
長い廊下を歩いていると、キュキュと五月蝿いほどの音が鳴る。

「よく磨かれてるのか?この床。
音立てたらまずくないか?」

俺はボソッと親父に耳打ちした。

初老の男に聞こえないようにしゃべったつもりだったが、どうやら耳に入ったらしかった。

「この床は鴬張りといいまして、鶯(うぐいす)の鳴くような音が鳴る床ですからお気になさらないで下さい」

「そっそうですか」

俺は恥ずかしさに顔を下に向けた。

「こちらです」

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あきゅろす。
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