□リクエスト小説@
5P
気がついたとき、俺に背を向け和泉さんは床に全裸で横たわっていた。
その体には、いくつものあざや、俺がつけたであろうキスマークの跡がくっきりと残っていた。
「…和泉さん…俺……」
「帰ってくれ……帰れよ…」
和泉さんの震えるような声に、俺は何も言うことが出来ず、黙って服を直し立ち上がる。
「お前も今までの奴と一緒だ…皆、皆僕の気持ちなんて考えもしない……僕を何だと思っているんだ」
「ごめん…俺…。
いまさらこんなこと言っても、どうしようもないけど。俺、本当に和泉さんのこと好きなんだ!
好きで好きでしょうがないんだ!」
ピクリと、和泉さんの肩が動いた気がした。
「…僕は外見はこうでも、女じゃない…女の代わりなんてごめんだ」
「違う!違う。
確かに俺は、和泉さんの外見に惹かれたこともあったけど、今は違う。
男に相手に、こんな気持ち持つなんて考えもしなった……」
俺は高ぶる気持ちのまま続けた。
「女とか男とかじゃなくて、和泉さんだから、こんなに好きになったんだ。
俺、年下で未成年で、和泉さんにとっては子供かもしれないけど、この気持ちは嘘じゃない。
それだけは信じて欲しいんだ」
「……」
俺はそれだけ言うと、玄関へ足を進めた。
これ以上和泉さんを、傷つけることはしたくなかった。
「……待ってよ、和志くん。
僕をこのままにしておくつもりかい?」
「えっ」
俺は慌てて振り返る。
「この責任は、とってもらうからね」
横たわる和泉さんの体を、俺はそっと壊れ物を扱うように抱きあげた。
「うん、いくらでも責任とる。
だから都合がいいけど、俺のこと嫌いにならないでよ。
お願いだから和泉さん」
「嫌いだ、大嫌いだ。
――って思えたらいいかもしれないけど。
僕も和志くんのことが…」
「えっちょっ、ちょっとそれって!」
俺の顔は、嬉しさのあまりにどんどん赤く染まっていく。
「な、なんでもない…。
今の言葉はなし!」
和泉さんの顔も赤くなった。
(可愛い♪)
かくして俺と和泉さん両思いになった。
後日、欲望のままにした行為の訂正をすべく、再度試みた所。
これがまた大変なことだった。
お互いがお互い、わからないまま必死で、最後には笑うしかなかったぐらいだった。
◇
「和志くん…だめっだめだって……あっああん」
俺は知り尽くした和泉の、敏感な場所を執拗に責めていく。
「ここまできちゃったし、最後までしよ♪」
すでに息が荒くなっている和泉は、立ってもいられないのか、ガクリと膝を下ろす。
(そういえば、いつの間にか和泉さんのこと呼び捨てにしてたな。
ベッドの中では俺の方が年上みたいだ)
「ほら、ベッドにいこう、床じゃ痛いだろ」
俺はひょいと和泉を抱きあげる。
ぼそりと和泉が漏らした言葉に、俺は苦笑いした。
『初めての時は床でしたくせに……』
ベッドにつくと、もう待てないと、俺は和泉の服をあっという間に脱がした。
「和志……くん」
白くて細い腕が俺の背中にまわり、ギュッと俺を抱きしめる。
「和泉!…」
自分からは恥ずかしがって、絶対してこないキスを和泉が初めてしてくれた。
(うぉぉー俺こんな幸せでいいのかよ)
長いキスの後。
和泉の首筋から鎖骨へと、唇でなぞり、胸の飾りをカリっと軽く噛む。
「あんっ…やっ」
もっともっと甘い声が聞きたい。
俺は手を下へとのばした。
すでに硬くなったそれは、俺の愛撫を感じてくれている証拠だ。
俺はそれを優しくゆっくりとこすりあげていく。
「んっ…あっ…あん、ダメ、そんなに優しく…しないで」
「なんだよ、和泉は激しいのが好みなのかよ」
俺は、意地悪く和泉のペニスをぎゅっと握る。
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