□リクエスト小説@
3P
◇
「あの件があって、俺達がお互いに隠しあってたこと、真人が好きだってことがわかったんだよな」
五人の中で真人より背が高く、短めの髪に日に焼けたスポーツマンタイプの衣田(いだ)が、笑顔で頭をかいた。
「俺だけだと思ってたから、言い出しにくかったし、一生言えないことだと思ってた」
品がありどことなく、お坊ちゃまという雰囲気を漂わせる新名(にいな)も、髪をなで上げながら言った。
「僕も、それを口にしたら、皆から軽蔑されるんじゃないかって……思ってた」
眼鏡をかけて、絵にかいたように真面目そうな竹屋(たけや)も、すっきりしたような顔で微笑んだ。
「オレは、告白してスッキリしたいとか、結構思いつめてたんだぜ」
少し癖のある金色に近い茶髪の頭で、一見バンドのボーカルのような容姿の大畠(おおはた)も、それにあわせて笑った。
「ぼくは、皆にバレないように既成事実をつくっちゃおうとか思ってた」
五人の中で一番背が低く、パっと見ボーイッシュな女の子と間違えられそうな、目が大きく可愛い顔をした児島(こじま)が小悪魔のように笑う。
「ええっ!
お、お前一番可愛いフリして一番、すげえこと考えてたのか」
他の四人が最後の児島の言葉に、目をむいた。
話しの内容と、自分が置かれている状況が違えば、その会話に入って笑いあえたかもしれないが、今の真人はキングサイズのベッドの上で、一人膝をかかえて震えていた。
衣服は剥ぎ取られ、逃げようにも両手両足を荷物紐で縛り上げられて、その紐の先はベッドの足にくくられていた。
「…嘘だ…これは夢だ…早く覚めて…目を覚ませば皆元に戻るんだ…」
「あれ?真人、独り言?ごめんね待たせたね」
「そうだな、俺も、もう我慢の限界だったんだ。
真人を抱きたくて、アソコがうずいてしかたがないよ」
五人が一斉に自分の方に近づいてくるのを見て真人は、体の震えが止まらなかった。
「い、嫌…嫌…だ…」
「可愛い♪怯えてるんだ。
怖くないって、皆、真人が好きなんだから隅々まで愛してあげるよ」
「…やっ、やめ……」
真人は、ショックと恐怖のあまり、その後の言葉が出てこなかった。
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