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□リクエスト小説@
4P
「とにかく、この仕事はまとまった金が入る。
断る理由はない」

「それなら峰岸さん。
報酬が入ったら、食器洗浄機買って♪」

「しょっ……男がそんなもの欲しがってどうする」

「だって、手が荒れるし手間も時間もかかるんですよ。
そりゃ峰岸さんは飲み食いするだけだからいいけど」

うらめしそうに自分を見る世羅に峰岸は苦笑しながら、わかったというように、人差し指と親指で丸の形を作った。

「ヤッター!
明日、早速お店に行ってカタログもらってこなくちゃ」

世羅は両手をあげて飛び上がった。

「――ったく、床が薄いんだ。
階下の住人に文句を言われる前に飛び跳ねるのをやめとけよ」

「はーい」

世羅は素直に返事をして飛び上がるのをやめた。

(食器洗浄機か……随分となまぬるい話だ。
それを買う為の金は、人殺しの代金っていうのに……)

峰岸は、ズッシリと重く冷たい銃を服の上から押えた。



「あっ、おはようございます」

「おう」

「峰岸さんおはようございます♪」

「ああ、おはよう」

「おいっ!気軽に峰岸さんに挨拶するなよ。
峰岸さんは僕のボスなんだぞ。
まずは僕に挨拶するのが筋だろ」

世羅はあちこちから声を掛けてくる町の人々に猫が威嚇するように声を上げた。

「何言ってるんだ。
挨拶程度で目くじらをたてて、お前はやっぱり子供だな」

峰岸はため息をつきながら世羅の頭をポンっと叩いた。

「僕は子供じゃありません!
もうハタチです。大人です」

「はいはい。そういえばハタチってことになっているんだったな」

「なっているんだったじゃなくてハタチなんです!」

世羅はプーっと頬を膨らませて腕を組んだ。

「ほら、そんな所が子供だっていうんだ」

「もうっ峰岸さんの意地悪!」

苦笑する峰岸を睨んで、世羅は早足になりドンドン先に行ってしまった。

「やっぱり子供だな」

峰岸はポケットから煙草を出して口に咥えた。

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