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□リクエスト小説@
8P
「ところで篠原教授、用事とはなんでしょうか?」

「んっあ、ああそうそう。
忘れる所だった。
野々村教授から伝言で授業が終わったらアトリエまで来て欲しいということだ」

「野々村教授のアトリエですか」

「そうだ。
新しい絵画を手に入れたらしいから、またその自慢話だろう。
実家が金持ちの坊ちゃんは無駄金を使うのが好きらしいな」

鼻先でフンとバカにしたように話す篠原教授だが、その言葉に嫉妬がこもっているのが優希にはよくわかった。
口先とコネとゴマスリでここまで伸し上がってきた篠原教授に対して、野々村教授はまさに家柄、才能、性格共に非の打ち所のない人だったからだ。

「そうですか、わかりました」

「自慢話が嫌になったらここにくるといい。
わたしがじっくり絵について語ってやる」

「……はい」

(絶対くるもんか)

優希は形だけ頭を下げると篠原教授の部屋を後にした。


「よっご苦労さん」

教室に戻ると家田が軽く手を上げてみせた。

「まったく、どうして僕ばっかり呼び出されるんだろ」

「愚痴を黙って聞いて、口答えしないタイプだとわかってるんだろ。
コネだけの成り上がり教授のくせに相手を選ぶ知恵だけはあるんだな」

「僕だって怒れば教授にだって口答えの一つぐらい……」

「それはやめておくのが賢明。
あの陰険でねちっこい篠原教授に目をつけられた最悪だって。
とにかくハイハイ返事して我慢しておくのが利口ってもんだ」

家田はそう言って優希に助言した。

(人事だっと思って……)

優希は家田を少し睨んでから教室の時計を見た。







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あきゅろす。
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