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□リクエスト小説@
2P
「おいっ優希どうした」

背後から声を掛けられて優希は振り返った。
ニッと口の端を大きく上げ、くったくのない笑顔で立つ家田(いえだ)に優希はつられて笑顔で返した。
家田は同じ学科のクラスメートとして一番初めに仲良くなった友人の一人だ。

「いや、新名くんの作品を見せてもらっていたんだ」

「へぇ〜ふむふむなるほど。
いいセンスしてるな、ここの色合いなんてどうやって出してるんだ?」

キャンパスの一部を指差した家田を新名はジロリと睨んだ。


「――それ以上指先を近づけるな。
万が一指先が作品についたりしたら作品がダメになる」

「おっとワリイ。
作品に触れるつもりはないから安心しなよ。
しかし、お前ちょっといかつくて怖くねぇ―。
芸術家ってタイプじゃないよな」

「い、家田っ」

優希は慌てて家田の口を押さえたが間に合わなかった。

「いい、さっきも言ったが、芸術系に見られないのには慣れてる」

「ごめん……」

冷静な口調だが、単調なしゃべりにどこか寂しげな雰囲気を感じ優希は思わず謝っていた。

「なに優希が謝ってるんだよ。
俺が言ったことなんだからさ、お前が謝る必要ないよ。
気にしてるとは思っていなかったからつい口にしちゃってさ、悪いな新名」

口は軽いタイプだが、意外と真面目な面をもつ家田は、新名に素直に謝った。

「気にしてない。
製作の邪魔だ」

新名はそれだけ言うと二人に背を向けてキャンパスに向き直った。








「……


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