□リクエスト小説@
2P
振り向いたアンジェは、ブゥが笑顔でガラスの皿の上に山のようにチョコレートをのせて自分へ差し出しているのを見て喉を鳴らした。
「ふ、ふん。
仕方がねーから食ってやるか」
アンジェは、皿にのったチョコレートをポイポイと口へ放り込んだ。
(うっめぇー♪)
「ふふ、アンジェさんって本当に可愛い方ですね。
宜しければお部屋にも沢山チョコレートを置いていきますから」
「るせーな、置いておきたいなら勝手にしろよ」
言葉とは裏腹に、アンジェは嬉しくて堪らないとい表情でそっぽを向いた。
「くすくす、本当に可愛い方ですね」
ブゥは、きびすを返すとすぐに奥の部屋へと消えていった。
「さてと…どこで昼寝の続きをするかな」
アンジェが部屋のドアを見回していると、突然背後から抱きしめられ甘い声で耳元で囁かれた。
「寝るなら、俺のベッドにしておけよ」
「なっ!ヴィル。はなっ離しやがれ!誰がてめえのベッドに寝るもんか!」
「いつも寝ているくせに、明るいとダメか?」
くすくすと余裕をもった笑い声にアンジェは頬を赤く染めた。
「るせ!お前が無理矢理ベッドに引きずりこんでるんだろうが。
俺の意志じゃねーよ」
アンジェはヴィルをこれでもかと睨みつける。
「はいはい、わかったわかった」
アンジェのそんな様子にヴィルはまた、くすくすと笑ったが、すぐに真剣な表情に戻って言った。
「アンジェいいか、俺はこれから用事があって出掛けるが、俺がいない間は俺の部屋にいろ。
俺の部屋が一番安全だからな。いいな」
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