□リクエスト小説@
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「悪魔で誘惑A」
虎菟さんへ
この小説は虎菟さんへ捧げます。
◆◆◆ ◆◆◆
明るく白いテラスの白い長椅子に横たわり、昼寝をしていたアンジェはふとまぶたを通じて自分に覆いかぶさる、影のようなものを感じゆっくりと目を開けた。
「…おはよう。
俺の可愛い悪魔ちゃん」
「――ちっ人がいい気分で昼寝をしていたのに、目を開けて一番に見た顔がお前かよ。
しかも『ちゃん』づけなんて気色悪い」
「その憎まれ口は、いつまでたっても、変わらないな」
ヴィルは苦笑いをしながら、アンジェの隣に腰掛けると、アンジェにのしかかるような格好でアンジェの唇を塞いだ。
「んっ…」
その行為が本意でないというように、アンジェはヴィルの服を自分から引き剥がすようにして握り締めた。
「お前のこんな、抵抗がまたいいんだよ。
飽きないな」
唇を離したヴィルは、アンジェの隣に座ったまま、アンジェの黒く艶やかな髪をなでて目を細めた。
「無防備にこんな所で、昼寝をするもんじゃないぜ。
ただでさえこの白い世界でお前は目立つんだ。
しかも、その美貌だ。
俺のように、紳士的な奴ばかりじゃないんだから襲いかかられてもしらないぞ」
「ふん、お前のどこが紳士だ!
俺は好きな所で、好きなように寝る!」
アンジェは勢いよく立上ると、わざと音をたたせながら家の中へ入っていった。
「ほんと、可愛い奴…」
ヴィルは目を細め口元に微笑を浮かべアンジェの後と追った。
◇
「の野郎…いつまでも俺をいいように出来ると思うなよ!
いつか絶対アイツをギャフンと言わせてやる」
アンジェは大理石の上をペタペタと歩きながら、部屋へと向かった。
魔力は封じられたまま、風切り羽も伸びてくるたびに、切られてしまい空もろくに飛べない状態だ。
「―ちくしょう…」
何度この言葉を呟いたかわからない。
しかし、アンジェにはこの言葉しか思いつかなかったのだ。
「アンジェさん、おやつは如何ですか?」
背後から、声を掛けられてアンジェは振り返った。
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