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□リクエスト小説@
4P
「あいつの……川名のことは僕に任せて欲しい。
何、体だけ大きい子供みたいなものだ、調子に乗っていい気になってる所なんて、可愛いものだよ」

神田のその言葉に、川名の頭に一気に血がのぼった。
勢いよく本棚の影から飛び出ると、驚いて目を丸くする他の風紀委員を押しのけて、神田の胸倉を掴んだ。

「おいっ!!
神田てめぇ!
誰が体のデカイ子供だって、調子に乗って可愛いもんだと!
よくも言ってくれたな」

「……ようやく出てきたか」

自分の胸倉を掴む川名に、神田は微笑を浮かべながら言った。

「なっ!」

(しまった!
こいつ俺がそこに隠れていることに気がついてて、わざと俺の悪口を言いやがったんだ。
なんで俺はすぐに、頭に血がのぼりやすいんだ)

すぐに後悔したものの、ここまできては後には引けず川名は、神田の胸倉を掴んだ手を勢いよく離すと

「けっ!
お前が気づいていることぐらい俺だってわかってたぜ。
だけどな、自分の悪口を言われたら、我慢できねーにきまってんだろ」

と、はき捨てるように言い放つと、図書室のドアへと足を向けた。

「逃げるのか?川名」

「なにぃ!」

またしても川名は神田の挑発に敏感に反応してしまった。

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あきゅろす。
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