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□リクエスト小説@
10P
「なんだ、言えないようなことか?
テストで悪い点でもとったのか?」

「ううん、違う…図書館で友達と調べものしてて…」

「そうか、それよりお前も男なんだから、部活動でも入ったらどうだ」

「考えてはいるけど…勉強の方が好きだから」

「勉強が好きか。それもまぁ、いい事だな」

瞬は、ホっと胸をなで下ろした。
一瞬、まさか!というような思いがよぎったが、父親が全く別のことを口にした事と、咄嗟(とっさ)とは言え、言い訳が思ったよりもサラリと口から出たからだ。

(勉強なんて、本当は好きじゃないけど…)

瞬は、最後に言い訳した内容について少しだけ、後悔した。


「えっ…!」

自宅についた瞬は、驚きのあまり目を丸くし言葉が続かなかった。

「―お前には悪かったが…なかなか言い出せずにいてな。
結局、当日の紹介になってしまったな」

父親が今まで見たことがない、照れくさそうな顔で頭をかいた。

「初めまして、瞬くん」

笑顔で頭を下げる上品そうな婦人に、瞬も慌てて頭を下げた。

「はっ初めまして」

「ゴホン、改めて紹介しよう。
瞬、こちらは東 小百合(あずま さゆり)さん、私の会社の取引先の事務員さんで、その…お前の新しい…だから…なんだ…『母親』になる人だ」

「母親…」

瞬は思わず口に出した。
そして、続く父親の言葉にさらに驚くことになった。

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あきゅろす。
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