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□リクエスト小説@
5P
それからは、俺は必死に働いた。
遊ぶこともなく、ただひたすら金の為に。
いつか父さんに自分を見てもらえるようになる為にだけ、ひたすら働き上を目指し…
そして、俺は若くして社長の地位を手にいれた。

「お祖父ちゃん、父さんがいない間に、引っ越すから準備しておいて欲しい」

「…ついに、お父さんを見捨てるのか…
そうか…そうだな、仕方がないのかもしれんの。
わかった、ばあさんにも言って準備しておくから…」

祖父は、毎日のように金を持ち去ってしまう父さんに疲れきっていた。
このままでは自分の息子を憎むようになるのでは?という不安もあったのか、安堵したようなため息をついた。

しかし俺は違った、父さんを手に入れる為にあえてまず父さんから逃げるつもりだった。
いずれ金欲しさに、俺達を捜しにくるのは目にみえたからだ。

その時が父さんを手に入れる時だった

「見捨てるなんて…俺には出来ないよ。
ただ、一度父さんにはガツンとショックをあたえた方がいいかと思ってね」

俺は軽い調子で祖父にそう話した。


「…社長、お電話が入っております」

「誰からだ」

「―社長のお父上だということですが。
失礼ですが、大変口調が乱暴でして、もしかしらた脅迫まがいのお電話では…」

「―いい、出る。
電話を回してくれ」

俺はこの時、この瞬間心の底から湧き上がるなんともいえない気持ちに、頭がクラクラしたのを覚えている。

「―もしもし…」

「かっ要か!俺だ、父さんだ。
捜したんだぞ、ジジイもババアも一緒にいなくなって…俺がどんなに心配したかわかるか?」

「父さん?俺には、父さんと呼べるような人はいませんが」

「なっ!要!何て事を言うんだ。
お前の父親は俺だ!
俺は、あれから心を入れ替えたんだ。
また一緒に暮らそう要。
いい父親になれるように努力もするよ」

俺は、口元に笑みを浮かべた。

「そうか、父さんもようやく気がついてくれたんだね。
わかったよ、それならまた一緒に暮らそう。
今日●●駅の近くの喫茶店、そう…そこで待ち合わせしてから、新しい家に連れていくよ…ああ、うんそうだよ。
父さん安心しなよ」

ガチャリと受話器を置いて俺は時計を見た。
(早く時間が過ぎて父さんとの待ち合わせの時間にならないものか…)

この日だけは、俺にとって時間は、ひどく長いものに感じられた。

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あきゅろす。
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