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□小説@
10P

「根岸くんちょっと手伝ってくれるかな?」

「はい」

根岸はこのコンビニのオーナー兼店長である尾崎(おざき)に呼ばれて奥の倉庫へ向かった。

「あの奥の商品なんだけど、わたしでは手が届かなくてね取ってもらえないかな」

「えっ…とこれですね」

根岸は手を伸ばして店長の指差す箱を取り出すと尾崎へ渡す。

「悪いね手伝わせてしまって」

「いえ」

根岸は営業スマイルという感じで笑った。

(どうにも笑顔は苦手なんだよな。
それにしてもこの店のオーナーなんだし、もうちょっと威張っていても良さそうなのに、尾崎さんって、俺達バイト生にも腰が低いな)

「んっ何かわたしの顔についているのかい?」

「い、いえっ別に、それじゃあ俺は店に戻りますから」

「うん、頼むよ」

なんとなく尾崎と二人きりでいると暗い雰囲気になって、気まずくなるので根岸は足早に店へと戻った。





「なぁなぁ店長と二人っきりになると息つまんねぇー根岸くん。
オレダメなんだよね、あーいうタイプの人間って、相性があわねーっみたいでさ。
俺にはもっとハードな人間じゃないとダメなわけ」

店に戻るとすぐにボサボサの長い髪を耳にかけながら、足でリズムを刻むように床をトントンと叩きながら三浦(みうら)が根岸に声を掛けてきた。

「俺は別にその……」

根岸が返答に困っていると、隣にいた唯一の女子店員である葵(あおい)が口をはさんだ。

「私はそんなに気にならないけど」

「葵(あおい)ちゃんはそうだろうな〜。
いつもボーとしてる天然ちゃんだしさぁ」

「あ―っひどい!天然ちゃんじゃないですから私は、勝手に決め付けないで下さい三浦さん」

三浦にからかい半分にそう言われて葵は、頬をプーっと膨らませて三浦を睨んだ。

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あきゅろす。
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