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□小説@
2P
「えっーサト兄、それはないよーずるいよー」

奴らの不平不満にますます俺の気分は良くなる。
これでもう三度目はなしだ。
俺は心の中でホッと胸をなでおろした。

「それじゃーな♪」

俺は気分よく旅館にたどり着いた。
チェックインを済ませ。
荷物を部屋にドサリと置くと畳の上に大の字で寝っころがる。

「ふぅ――」

しばらくするとドアをコンコンと叩く音がして仲居さんらしき女性の声が、ドアの向こうから聞こえた。

「あの、お連れの方が見えてますが…」

「…連れ…」

俺の胸に嫌な予感がよぎった。

「連れなんて、いないです!」

俺がドアを開けるとそこには高次達が笑って立っていた。

「サト兄ー良かった会えて。
実はさ、泊まるはずだった家でたまたま不幸があってとても泊まれる状況じゃなくなってさ」

「うっ嘘をつくな!帰れ!」

「俺ら、お金そんなに持ってないし、一緒に泊めてよ」

「だめだ、なら今から家に帰るぞ」

俺は必死だ。

「今から帰ると向こうで終電に間に合わないよ」

「そうですね、お料理などはなんとかなりますので、今夜はお泊りになったほうが、いいですよ」

仲居さんは親切で言ったのだろうが、俺にはとんでもないことだ。

「だめだ、とにかく嫌なんだ」

「――サト兄、父さんにも母さんにも、このことは話してあるしさ、もう何にもしないから…」

「何もしない?」

仲居さんが首をかしげる。

「なっなんでもないです…わかったよ…」

俺はうなずくしかなかった。


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あきゅろす。
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