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□小説@
2P

「腹へったな…」

夜の9時。
会社にはもう田之上しか残っていない。
だか、書類の束はあと三分の一も残っていた。

コンコン

「誰?だ…」

「オレっす」

ドアから九条がひょこっと顔をだす。

「なんだ、お前か」

「なんだとはひどいな、夕飯まだでしょこれどうぞ」

九条はビニール袋から弁当をだす。

「お前なんで…」

「いいじゃないですか、それよりオレもまだなんで、一緒に食ってもいいですか?」

「ああ…」

田之上は給湯室で湯を沸かしお茶を入れ、九条と並んで
弁当を食べはじめた。

(…変なところで気がつくヤツだな)

田之上は隣でハンバーグを頬張る九条を見る。

「んっ、田之上…さんオレの顔に、何かついてます?」

「ああいいや、別に」

田之上は慌てて頭を振った。

「それより、仕事まだ終わんないんでしょ。
オレ手伝いますよ」

いつもなら、断る田之上だったが明日の事もあり、この際手伝ってもらうことにした。

「すまない、この書類を整理して要点を打ち込んでくれ」

「わかりました」

九条は意外に手際よく書類を整理していった。
その横で田之上も残りの書類の整理にかかる。

ふと、背後に気配を感じ振り向こうとした田之上は後ろから九条に抱きすくめられていた。

「!おっおい九条何するんだ、ふざけてるのか」

田之上は九条の腕の中から逃げようともがくが、がっしりとした腕はびくともしない。

「…オレ、田之上…さんのことをさ
……なんだ」

「はっ?何だ聞こえな…」

田之上の言葉は九条の唇によって止められた。

「うっん…ん」

九条の舌が田之上の歯をわり奥に侵入する、舌を絡めるように吸われクチュリと音が立つ。



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