嫁にだす気持ち(尾浜と竹久々)
※現パロ
「兵助調子わるい?」
「ん?大丈夫だけど?」
俺の勘は結構あたる。俺達は長い付き合いだし、十中八九兵助は調子が悪いだろう。でも兵助は人に頼ることが苦手で、人に弱さを見せない。俺が何と言っても白を通しきる。だから俺も無理強いはしないんだ。
「そう?きつかったらいいなよ?」
「勘ちゃんは心配症だな」
頼られない事に無力さを感じた時もあったが、兵助は一人で立つ人間なんだ。と思い込むことで納得していた。
それが、最近過ちだったと気づいた。
「はっちゃん…」
「ん、どした?」
「頭…重い…」
「重い…?」
「風邪」
「まじかよ!!ったく兵助は顔に出さねえんだから」
「ごめん…」
「いいから、ほら家の鍵。俺んちわかるな?寝てろ。俺も委員会終わったら速攻帰るから」
「うん…」
俺は自分の浅はかさに嫌気がさした。何故兵助は人に頼らずとも大丈夫だと決めつけたんだ。兵助が人に頼らなくなったのは、兵助の人間性に固定概念を貼り付けた周りの責任ではないか。
そして俺もその一人だ。
「はっちゃんの「大丈夫」は本当に大丈夫なんだ。頼ってもいい、、そう思えるんだ。」
後日、兵助にそんなことを言われた。
「そっか、はちは正直な男だもんね。大丈夫じゃない時に大丈夫なんて言ったら顔に出るもんね。」
そんな皮肉を言ってみたけど、兵助が笑って
「確かに」
なんて言うから勝ち目がないと思った。ああ、なんだか娘を嫁にだした気分だ。そろそろ俺も自分の身辺固める時かな。
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