居留守を使いたい相手(鉢屋と先輩・拍手ログ)
※現パロ
鉢→久々表現あり
ぴんぽーんと無機質な音が部屋に鳴る。なんだか嫌な気がしてドアは開けずに小さな穴からゆっくり外を確認する。あ、予感的中、はい、居留守決定。音をたてないようにしよう。そう思っていたら呼び鈴を連打された。近所迷惑だと思ったけれど、すみません。近所迷惑な奴になってもいい。それほどまでに居留守を使いたい相手だった。
外が静かになった。もしかして奴は帰ったのかもしれない。俺は安堵し、また安らかに目を閉じた。
「三郎ーいないのかー?」
こ、この声は…間違えるはずはない。兵助の声だ。条件反射だった。何故兵助が、と理由も考えずにドアを開けてしまった。
そして後悔。
「鉢屋、居留守とは言い度胸じゃないか」
「な、七松先輩…」
「お前が居留守を使っていることは外のメーターの動きでバレていた。私を外で長時間待たせた罪も、また重い。」
「立花先輩もいるんすか…」
うわー何これ。俺今さっきバイトから帰ってきたばっかなんですけど。あれ、
「…兵助は?」
「よお」
七松先輩の後ろからひょこりと顔だす。やべ、可愛い。
「何で兵助が」
いや、嬉しいけど。え、もしかして先輩達俺が兵助を好きなこと気付いて…それで…気を使って…
「お前が居留守を使った時、役に立つと思ってな。連れてきた。」
大変用意がよろしいことで。しかしこの人達は何しに来たんだ。
「実はな、鍵を忘れて家を出てしまった!長治が帰るまで泊めろ」
「無理です」
「無理とはなんだ。困ってる先輩に向かって」
無理なものは無理だ。七松先輩が家にいてみろ。安息の地にならないことが予想できる。
「因みに私は面白そうだから来た」
良い趣味ですね。これが竹谷んちってなら俺も野次馬として参加したかもしれない。大きくそして態とらしく溜め息吐く。
「何もありませんよ」
「そう言うと思ってな!買ってきた!」
「…」
なんか涙出そう。そういえばさっきから兵助が喋ってない。見ると何かビニールの袋を漁っている。はい、と手渡されたものは謎の栄養ドリンク剤。
「何これ…」
「最近お前疲れてる感じだったから」
だから先輩方あんまり負担かけたら駄目ですよ、と二人を諭す。その行動で疲れとかそんなの吹っ飛ぶんですけど。
「因みにこの久々知の行動はお前に対する特別な感情からではない。皆に平等な程度のものだ。肝に銘じておけ、鉢屋」
もう先輩達、本当に嫌い。
意外と長くなりました。5年をいろんな人と絡ませたい病が発動中です。
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