勘違いすんなばーか(尾浜と鉢屋)
「尾浜さん」
「なに」
「わざと仕事増やすのやめてくれませんか」
心外だ、とばかりに大層驚いた顔をつくってみる。でもその態とらしい顔は鉢屋の怒りをかった。
「お前今日俺が兵助と帰る日だって知ってるだろ…」
「んー?知ってるよ。だから何?」
「…もう本当やだ。みんなお前のつくり笑顔に騙されちゃって。ああ怖い怖い」
「鉢屋にしか意地悪してないから大丈夫だよ」
「今、お前さらりととんでもないこと言ったぞ」
鉢屋は俺がどんなに悪態をつこうと結局は寛容する。俺の大事な人を奪っちゃったっていう罪悪感があるから。
でもそれ、とんだ勘違い。
「鉢屋のばーか」
「ばーかはいいから手ぇ動かせばーか」
ばーか。ばーか。
ただお前を困らせたいだけだ。ばーか。
0725
勘→鉢でした。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!