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考えすぎな5月の話(鉢久々・拍手ログ)

※現パロ



俺はここにいなくてもいいんじゃないか



5月、桜が散る



なぜだろうか、桜の季節はみな楽しく花見をして、新しく始まる生活に夢を見て、または不安を感じながら

もがき

苦しんで

這い上がり

闘っているのに

桜が散る、そう5月になると物寂しくなるのは俺だけではないんだろう。
馴れしたんだ奴とは違い、上辺の笑顔を使い回し、ああ 俺何してるんだろう

とふと思い、すべてを投げ出して俺のことを知らない土地に行きたくなる

できれば寒くないところで


桜はあんなにもみなに好かれ、散ることを惜しまれるのに

散ってしまえばそれきりだ。みな存在など頭から消えてしまうのだ。


俺も桜のように大切な奴の頭から消えてしまうのだろうか。


「三郎」

ふわり と俺を覆い被すその声に急に泣きたくなる。声をだして、叫びたくなる。

「5月はいいなあ、暖かいし」

寒がりのお前と夜、外でいつまでも喋っていられるな

「…そうだな」

「なにその顔」

眉をさげて笑いかけるその顔に

(ああ、俺の不安こいつには見透かさてるのか)

と気付く。また気を使わせてしまったな


俺の不安がすべて消えることはないけれど、お前といて

声をきき

手に触れ

匂いを感じて

その時だけは俺ここにいてもいいんだよな

って思えるんだ

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