うそつき(次数)
※現パロ、高校生とか
好意をもたれたことなんて数えるほどしかないからちょっと優しくされたらすぐ舞い上がっちゃう。
もしかしてあいつも僕のこと好きなんじゃないかって。
セミが五月蝿い
そんな季節だった
「だって誰が俺を好きになるか分かんないじゃん」
だから女の子にはみんな優しくしておかないと
あっちにふらふら
こっちにふらふら
一回死ねばいいんじゃない?
「さいてい」
こいつは誰にでも優しくするんだ。ひとまず、優しくする。
そして好意が返ってきた子にだけ好意で返す。
なんてあざとく、卑怯な野郎だ。
「なんで、だってみんな優しくされた方がうれしいだろ」
ちがう。ちがう。お前は全然わかってない
ただ優しくされたいんじゃない。
自分にだけ
優しくしてほしいんだよ
「かずま」
やわらかな声で呼ばれ、自分の体が夏の日差しから遮断された。
「なに」
顔を上げながらのひとこえ、ほんのコンマ1秒。自分の唇に何かが触れた。
「これは数馬だけ」
そういったお前の顔は夏の日差しで影がかっていたけれど、その笑顔はホンモノだった気がするんだ、気のせいかな。
夏のセミが鳴く。
それよりも大きな声で僕の心臓が泣いていた。
(これはほんとにぼくだけ?)
すぐ舞い上がる。でもどうせ勘違いなんでしょ?だったら傷つく前にここでこの気持ち止めておきたいんだ。
「…さいってい」
唇をワイシャツで拭い去る。消えちゃえ、この感触もこの気持ちも
お前なんかだいっきらい、どうせあの子にもしてるんでしょ。こんなこと。
(傷つきたくないから自己防衛)
うそつき
最低次屋ですみません。ひとまず好意で接して好意で返ったきた子には好意でかえす、次屋すきです。ほんとです。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!