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セックスと行動範囲

※現パロ、高校生

明るいエロ、ぬるいエロ





兵助はインドアだ。行動範囲は学校から家までの徒歩15分以内に限る。駅前は20分かかるためあまり赴かない。俺の家は電車で2駅だからまだ来たことがない。来る?って以前に聞いたら視線を本から変えることなくそら返事だったからおそらく興味がない。基本何事にも無頓着だが、兵助は嘘をつかない。故に行きたかったら行きたい、と意思表示をする。それがなかったからどちらでもいいのだろう。

だから俺達が2人で会うのは学校帰りのみ。毎日学校があるからいいのだが、遠出をしない。
さて、この事の問題点はなんだかわかるか。そう、セックスができない。残念ながら兵助も俺も実家住まい。兵助の家は祖母と同居している為になおさらセックス出来ない。

これは健全な男子にとっては死活問題だ。




「へーすけー」

「んー」

「なに読んでんの」

「よつばと」

「面白いの?」

「うん」


兵助はマンガに夢中で俺には目もくれない。つまり、俺に興味がない…自分で言ってて悲しくなるからやめる。俺達のたまり場は大概このマンガ喫茶に落ち着く。2人で何するでもなくダラダラと喋り、漫画を読み、そして時にキスをする。そして下半身が肥大化した俺を放置し、兵助はまた漫画を読み出す。

お決まりのパターンだ。


この俺の心情を知ってか知らずか、ただ黙々とページを捲る。

あーつまんねー



「っさぶろ…」

仕方ない。こちらを向かないなら向かせるまでだ。そう思い俺は兵助の頭を抱え込み、唇に噛みついた。
逃げようとする兵助の舌に食らいつき音が出そうな位吸い付く。そして、響かない程度の小さな音を僅かにだす。

「くっそ、バカか!お前!回りに人いんだぞ!」

「でも兵助さん。息あがってますよーやーらしー」

俺がちょっと言葉をかければ、兵助の頬は染まる。口調こそ死ねとかぼやいているが、その潤んだ瞳が性的であることは変わらない。あの、本当、そういう顔やめてくださる?誘ってるとしか思えないんすけど。


「まあまあ、要は回りに悟られなきゃいいんだろ?」

「そういう問題じゃねえだろ。バカが」

「俺は自信あるけど、」

回りに気付かれない。

自信。


そっと耳に囁き、そのまま耳を噛む。耳に舌を侵入させ、ぴちゃぴちゃと音をたてる。

「ん、あ…」

兵助は耳が弱い。すぐ快楽に翻弄され、俺の体に身を寄せる。兵助の匂いが、鼻をくすぐる。

ゆっくり、ベルトに手をかける。

「ん…ダメ」

「ダメじゃない」





「いやまじ調子のんな。盛ってないから。勘違いすんな」

兵助の冷たい言葉も誘っていると頭でシフトキーを押して変換し、そのまま手を侵入させる。

「さぶ、んんっ」


兵助に有無を言わせる前に兵助のものに舌を這わせた。べろりと横を一通り舐め、ぶるりと兵助が感じたのを確かめ、焦らすように先端をぴちゃぴちゃと舐める。

「ん…ほんと…や、」

段々と荒くなる息遣いに喜びを感じ、一気に奥までくわえる。



「やああっ…!んぐっ」



ひときわ甲高い声が溢れ、さすがの俺も焦って兵助の口を塞いだ。


…というような演技をした。


「兵助?回りに気付かれちゃダメなんじゃないか?」


耳元に優しい声をかけ、キスをする。


「ずっとキスしてなきゃ、声が響いちゃうな?」

そう言って執拗に舌を絡ませる。兵助の声は一段と扇情的になり、俺を誘う。舌の勢いを止めることなく下肢に手をかける。
固くなった兵助のものを手でやんわりとなぞり、急に動きを早め、爪をたてる。

「んあっ…んぐっ!」

再び声を漏らす兵助の頭を片手で強く掴み、ソファに寝かす。股を開いた状態にさせ、間に入り膝でぐりと自身を刺激してやる。溢れそうになる声を手で制止した。


「ここ、どこだと思ってんの?」

イタズラに笑いかけると同時に兵助の精が俺の手に咲いた。









「調子のったな?」

「調子のりました」

「お前が悪いな?」

「俺が悪うございました」

「…はあ、もうあのマンガ喫茶行けないな。俺気に入ってたのに…」

「え、じゃあ何処で兵助に触ればいいの」

「…お前」

「冗談です、冗談」



「…セ」

「ん?」

「セックスは…もっとちゃんとした場所でやる」

「は、」

「以上」





俺の思考回路はなかなか作動することなく、開いた口塞がらなかった。かなり間抜けな顔をしていただろう俺に兵助が帰るぞ、と声をかけた。夢か現実か、現実に決まっているのだが余りにも幸せでその日は頬が引き締まることはなかった。



俺はなんて幸せものなんだ、と





セックスと行動範囲




0804
エロくないエロはエロではない。




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