きみといるだけで
「なあ、兵助。人間って欲深いよな」
「なに、雷蔵に叱られた?」
「ちげーし」
「じゃあ何?」
「すごく嬉しかった事だって何回もあるとそれが当たり前になる。それ以上の事がないと嬉しいって思えない。人間てクソだな、と思いまして」
「ふーん。でもさ、嬉しい事は続かないだろ」
「…」
「そう思うと辛い事ってのはありがたいな、ずっと辛いことが続くと当たり前も嬉しい事に思えるな」
「…」
「人間てそんなもんだ」
当たり前な事って実はすごく幸せな事で、辛い事があった時その幸せに気がつけるんだろうな。
きみといるだけで
室町の鉢屋と久々知はちょっと理屈くさいこと話しているといい
そして鉢屋が久々知にべたべたするといい
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