いっぱち物語(仮)
10
次の日の朝、濡れたパンツに項垂れた。
ありえない。
昨日の一先輩の言葉じゃないけど、夢精するなんて中学生かよ。しかも夢の内容が………
ダメだダメだダメだダメだダメだ!思い出すな!あんな――――
『あ、あ、あ、っ、ん、ん、いっ、いっぺ、ぁ、あん、も…とぉ、ン、おく、ゃン!つい…突いて、えぇ、ふ、ゥン』
いやいやいやいやいや!!
頭を思い切り振って、夢の情景を霧散させる。
あんな…あんな事……一先輩が僕とするわけない…男なのに…抱かれる姿が、あんな、可愛いわけが…ない……
頬が熱い…胸が高鳴ってるなんて、気のせいだ…
それからは、毎日のように夢の中に一先輩が出てきた。僕の下で、時には僕に跨がって、可愛らしく喘ぎながらいやらしく腰を振る。目が覚めて、下着を濡らしながらも勃起しっぱなしの性器を慰めて、下着を洗って、学校へ行く準備をして、それが日常になりつつある。相変わらず星輝には振り回されて、取り巻きにも睨まれて、でも、一先輩がその度に助けてくれて、僕のために……
僕は一先輩に恋をしている。
自覚するのは早かった。僕は元々ヘテロセクシャルだけど、環境のせいだろう。ノーマルだと言いながら、この学園で男を好きになったり付き合ったりするのを見てたから、割とすんなり受け入れれた。
『好きになったら性別は関係ない』
あれだけ魅力的な人だ。僕はこの想いを誇らしく思った。
思ってた…
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