いっぱち物語(仮)
2
「……………………は?」
「……………………はぁぁ?」
瞬くインチョー。顔面をこれでもかとしっちゃかめっちゃかにするオレ。臨海学校て、何それ?何の話してんのかわからんちん。
「……………………は?」
「何ゆってんべ、インチョー?んなもんオレ企画してねーし、次は二学期の文化祭だぜ?大体オレ、夏休み入ったらバイトすんだけど」
「バイトは禁止だ」
「許可もらった」
うそだけど。
「おかしいな、うちの者にそう聞いたんだが」
「そう聞いた、って…誰が言ってたんだろ?」
「?………………あ。金本先生」
「金本………!!」
No.1か!!
今現在、廊下にはオレの足音が高々と響いてる。ガツガツみたいな。それだけで今のオレの荒々しい心境が見て取れるのか、廊下に出ている生徒達が道を開けてくれる。サーセン。
「失礼!!」
スパンッ!!と扉を勢いよくスライドさせると目当ての人物を探す。いた!
目的のヤローは座ってケータイいじってたみたいで、音に反応してオレの方見てる。足音鳴らしてそこに向かうと、オレは机を思っきし叩いた。
「ちょっとセンセーあんたどーゆー事よ?臨海学校とかオレ企画してねーんだけど!仕事しねーならしねーなりに大人しくしててくんねーかな?顧問の業務内容に立案は含まれてねーっしょ!それは生徒会役員の仕事なの!余計な事してんじゃねーよ!!」
静まり返る職員室内。目を丸くする先生方。とNo.1。息を荒くするオレ。
失礼は承知だ。胸倉を掴まなかった事を褒めてもらいたいぐれーだし。ちゅーか殴んなかった事を?
ジミーの事に気を取られて掲示板全体を見てなかった。も一回見てみたら一枚の貼り紙。臨海学校の案内だ。顧問の認印も捺された正式なそれに、急いで生徒会室に行って確認を取ると、それだけだった。何にも進行してない。立ち上げるだけ立ち上げて丸投げかよ!オレにやれってのか!
「落ち着けイッパチ。金本先生、どういう事ですかね?」
「……クマさん」
あれま、いたのね。だよね、職員室だし。頭に血が上り過ぎてたみたいだわ。クマさんの顔見たらちょっと落ち着いてきた。ハッとしたよーにNo.1が口を開く。
「一、テメェ教師にんな口利いて―――」
「話を逸らさんでくださいよ。どういう事か、と、聞いてるんですよ。金本先生」
あ、No.1ちょービビってる。わかるわー。今のクマさんプレッシャーまじパネェwww
「ど、どういうも何も、役員が提出してきた草案に判を捺しただけですよ」
No.1の声が震えてるのなんてどーでもいい。今、チョー耳疑ってんスけど。
役員が?何それ?
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