いっぱち物語(仮)
1
「うそやーん」
それしか言えねーってゆー。今日から復帰っちゅーこって学校来て、何気なしに掲示板みたら、ねーわ。
あん時インチョーが下した処分内容の下には、もち3バカの名前。の、更に下には…
「平山 一平?なーんでジミーの名前が…退学じゃなかったんかい」
うっわー、いやんな臭いがぷんぷんしますわ。
「…すまない」
インチョーがゆーにはこーだ。
処分は確かに決定してた。あの日、オレとクマさんが風紀委員室を出てった後、室内に残ってた奴等も解散させ、その後に何かあったんだろう。ある日、処分の撤回について理事長室に呼ばれた時、その場にもじゃも居たらしー。理事長の言葉、合いの手の如くちょいちょい入るもじゃの喚き、それを愛でまくるキッショイ理事長。脳みそフルでまとめてみっと、ジミーがもじゃに泣き付いたのが発端だ。それだけでもじゃが聞くとは思えんけど、きっと言葉巧みに誘導したんだろー。「星輝と離れたくない」とか「せっかく友達になれたのに」とか「友達」を強調して丸め込んで、単純なもじゃは騙された。まー自覚の有る無しはともかく、ジミーは引立て役に必要だからあえて騙されたんかもしんない。
結果、覆った。
決定と言っても風紀室内だけでの会話だ。大々的に発表してなかった分、取り下げるのは簡単だったろう。
腹の内が黒いやつはやる事がえげつない。ヤロー、中々の知能犯だ。
「もーいーし。っちゅーかインチョーが謝る事ねーし。ホント何であれが理事長かわっかんねーわ」
「それは同感だ。もう少しまともな人間だと思ってたが」
オレ等が何を言ったとこで、結局のとこ決定権は理事長にある。クソでも食らっとけっつーな。
「奴等の停学明けにお前に護衛を付けたいんだが」
「なーん、そんなんいんねーし、んなもんよりもじゃの見張り強化した方がいーと思うー。何かあったら連絡入れっし、何かある前に連絡入れてチョンマゲー。他の委員にもオレのケー番教えといてよー」
「…了解した。それともう一つ」
「んー?」
「夏休み、臨海学校を開くらしいが、企画書が回って来ない事には風紀も対処のしようがない。企画進行はどの程度進んでいる?」
「……………………は?」
何じゃそりゃ?
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