いっぱち物語(仮)
14
「だーれかーーー!いねーのーーー?インチョーーー!」
まだ来とらんのかい!あー、ちゅーか移動したから捜してるとか?ジミーが助け呼……ぶわきゃねーか。3バカも当てにゃあならんし、どーすんべか。
声は出せるよーになったけど体中イッテーし、擦り傷と打ち身だらけだわ。今日風呂大変だー…入れたらだけど。
「オレおだぶつ?走馬灯ってホントに見れんのかなー…も一回ぐらい会長に優しくされたかったなー」
体操座りで膝に顔を埋める。
だめだー。気ぃ弱くなってる。
せめて笑って欲しかった。邪悪でもいーからさ、オレに笑いかけてほしかった。会長が幸せならっても思うけど、もじゃに笑いかけてる会長見ると、やっぱ心臓マジいてーの。内臓全部締め上げられてんじゃね?って程ギュウギュウなってちょーイテー。
あーあ……女々しすぎ…オレ、まじバカじゃん。
「インチョーー!!ジミーー!!3バカーー!!誰でもいーから助けろーー!!まじヘルプーー!!」
どんなに叫んで助け呼んでも、だーれも来やしねー。
「……かいちょ………………気付けよ……」
傷や打ち付けたところが熱を持ってきて、体中熱い。ぼーっとしてきた…
「……かいちょー…」
叫ぶのも疲れてきた。喉イテーし。いーかげん、叫ぶとその震動で至るとこがズキズキ痛む。
これがもじゃだったら、会長は迷わず捜すんだろーなー。いっぱい心配して、いっぱい捜して、見つけたらきっとあの逞しい腕で、息もできないぐらいきつく、きつく抱きしめるんだ。
よかった、って。心配した、って。愛しげに抱きしめて、キスをして……
よかったな、本宮。会長の愛はてめーのもんだ。でもおめーはクマさんが好きなんしょ?クマさんはおめーが嫌いみたいよ。教師としては接してるみたいだけど、必要以上の接触は嫌がってるもん。
「ヒハッ、ざまーみろ」
会長の愛がてめーのもんでもなんでもいーよ、もう。や、痛いけどね。でもてめーは穴だらけだから、きっといつか会長も気付く。優しさに見せかけた傲慢さに。
ホント、ジミーのゆー通り。おめーが来てからめちゃくちゃだ、クソッタレ。
副会長も書記も補佐子も、生徒会室内ってゆー狭い空間だったけど、それなりに上手くやれてた。たまに冗談言い合ったり、オレが副会長イジって副会長がキレて、補佐子は笑って便乗してきたり、書記は楽しそうに微笑んで、会長は呆れてた。
それなりに上手くやれてた。
友達とは言えなかったけど、どっちかっつーと好きだったよ。
なんだかなー……ジミーに突き落とされた筈なんだけど、おめーが憎くて仕方ねーよ本宮。おめーが居なきゃ、ジミーもここまで大胆な行動にゃ出れんかったっしょ。
「あ゙ーーー…まぁじブチ殺してーー…」
風呂入りてー。全身どろっどろだわ。
「かーいちょー…………
助けんかーい…クマさーん……」
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