いっぱち物語(仮)
18
「テメーにクソみてーなほら吹いて、仕事サボってる事正当化しようとしてんのはそいつ等。睡眠と食事時間削って、そいつ等の仕事してやってんのは、オーレーなーのー」
わかりやすく奴等とオレを指差して言ってやる。ええ、イヤミったらしい事は存じておりますとも。あー、ハハ、止まんねー。
「信憑性も無くてー?本当かどーか確かめたわけでもねーのにー?そーんな噂紛いのでっち上げで一方的に非難するとかー?そーゆーのこそ『サイテー』っつーんじゃねーんすかぁ?はぁん?」
オレってばどこのチンピラよ。
場の空気が重くて、肌を刺すみたいにピリピリしてる。みんなスゲー怖ぇ目つきでオレを睨んできて、会長も……でも、ごめんよ会長。オレのエゴだし我が儘だけど、オレ今のままじゃやーよ。意地悪で優しい、プライドの塊みてーな会長に戻ってよ。そんなやつに会長の今までが崩されんのが我慢なんねーの。
一瞬だった。
会長が動いたと思ったら、大きな衝突音。バンッ!みたいな。ドンッ!みたいな。目の前、鼻先数センチんとこになんかあって、そのなんかを辿ったらクマさんが居て、そーいやオレ入り口で話してたから、クマさん扉の外居たなー。とか考えて、目線戻してやっとわかった。目の前にはクマさんの手の甲。大きな手の平が会長の拳を受け止めてた。
どーやらオレは会長に殴られるとこだったらしー。
二人の力は拮抗していて会長の腕が震えてる。体格差や筋肉量からしてクマさんのが力強いみたい。
「感心しないねぇ、印南会長。無抵抗の人間に暴力か?風紀呼ぶか?」
「チッ…千熊…」
「千熊『先生』な」
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