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いっぱち物語(仮)
19
「っ!!ぁ、ぁ、」

今、何か当たった。

一応言っとくけど、オレ、アナニーはしても前立腺は触った事ありません。前にクマさんにちょっと触られた時変な感覚だった。前立腺は気持ちーって聞いた事あっけど、初めて触れられたそこは微塵も気持ちーなんて感じなかった。ただ触られた瞬間の強制的な射精に呆気に取られただけ。気持ちーはなかったけど、その後そこに当たった指の感覚が残っててムズムズした。だからアナニーっても穴を拡げる的な、ね。何か怖くて。まーそれで入り口ぐにぐにするだけで感じるよーになってんだから、オレも大概だわな。

だからヤベーのよ。こいつ今、人が避けに避けてた前立腺に触りやがった。この間みてーにイっちゃう事はなかったけど、玉が競り上がってちんこがビクビクなって、染みが広がった感じがする。

制服……っっべー……

あいかーらず気持ちーよりムズムズする。むず痒い…

グリッ

「っ!ひっ!」

何かそこばっかグリグリ押してくる。

やだ、やだ、やだ!キモいキモいキモいキモいキモい!!

もー頭やら顔面打ったらとか、キッタネー便所だっつー事もどーでもよくなったわ。

「――っなせクソが!!」

「ぁがッ!!」

同時に後ろに腕を振り上げる。ゴツリと骨と骨がぶつかる音。体を壁に打ち付ける音の後に、ズルズルうずくまるフレッシュ。見事、肘がフレッシュのこめかみに入ったらしく、奴の目の焦点があってない。

案の定オレは頭を打ち付けて、でもアドレナリン出ちゃってんのか痛みとか感じなくて、ちゅーか指が抜ける瞬間爪で引っ掻かれて、ムズムズの上にじんじんヒリヒリする。しかも何か足の力が抜けた。

フレッシュは呻きながらも動かない。今の内ーっちゅーこってガクブルな足を無理矢理動かして便所を出た。






乱れた服装、紅潮した頬、濡れた瞳、悩ましげに寄せられた眉、壁に手をついて辛そうに体を支えながら歩く姿、微かに漏れる甘い吐息、イッパチのその姿を見詰める者が居た。

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