いっぱち物語(仮)
16
オレを見たフレッシュは軽く舌打ちすると出て行こーとする。ムカっ
「おーい、ちょお待て。オメー運動部だべ?先輩にんな態度とっていーんかい。挨拶は?」
それにピクリと反応したフレッシュは開きかけた扉を閉じると、そりゃーもー眉間にゃあ五百円玉でも挟めそーなシワを寄せて、「……………………ッス」とボソリと挨拶してきた。
………テメー…その間は何だ?渋々過ぎんだろ。敬う気なんて欠片もねーってスケスケだわ。「先輩」に反応しただけ、腐ってもスポーツマンっちゅー事かい。腐りきってレギュラーやべーらしーけど。
もー出て行く気は無いのか、オレから二つ離れた便器で用を足そーとする。
ちんこを仕舞ったオレは、フレッシュがちんこを出したのを見計らって覗き込む。
「あーらフツー」
「は!?」
ギョッと目を剥いてオレを見るフレッシュ。あーウケる。
「ちょっ!何!」
アワアワしてっけど、既にジョロジョロしちゃってるせーで仕舞う事も出来ない。逃げる事も出来ない。
「皮余り過ぎじゃね?剥いてる?童貞?」
因みにオレは仮性包茎です。まー若いからこれからだべ?その内クマさんみてーなカッケーちんこになってやる!
「なっ――――」
オレの発言に茹蛸になったフレッシュは若干泣きそーに眉を歪める。ワリ。わざとッス。て、あらら。ショックでかおしっこの勢いが無くなった。
見兼ねてフレッシュの手の上からちんこ持ってやるとビクリと体が跳ねる。ワリ。嫌がらせッス。
「はーい。シーシーしまちょうねぇ」
肩に顎乗せて、後ろから抱きしめるみてーに、赤ちゃん言葉で、やっべ、にやける。こいつにゃあムカついてたからなー。オレのムカつきは継続中なのに一人でオレの前に現れるこいつが悪ぃ。って事にしておく。
用を足し終わったフレッシュのちんこを軽く振って仕舞ってやる。だってショックで棒立ちなんよ?こいつ。オレの言動か行動にか、まー全部でしょーねー。
我に帰ったフレッシュは相変わらず顔真っ赤にして、震えながら涙目で睨み付けてくる。今のこいつにフレッシュさの欠片もない。
「何なんだ、アンタ…」
「けーいご」
「ッ!!何なんスかアンタ!!」
それ、敬語かぁ?
「いきなりこんな―――っ嫌がらせのつもりかよ!!」
「え?そーよ?良くわかりまちたねーえらいえらい」
「は?」
棒読みで褒めてやる。ポカーンと間抜け面してるフレッシュとかどーでもいい。今オレの顔はうへぇってしながら自分の手を見てる。だって結局仕舞う時、直に触っちまったんだよ。ちんこ。嫌がらせの為に体張りましたよ。
「は〜あ。オメーのイカ臭ぇちんこのせーでオレの手が汚れたじゃん。バッチィ」
「なっ―――!!」
声が震えた。泣く?勝手に泣いてろよ。
石鹸で手を洗ってると鏡越しに俯き、震えるフレッシュ。拳握り過ぎ。
「ん?」
何かボソボソぶつぶつ、リアルツイートとかキメェとか思ってたら首根っこ掴まれて個室に投げるよーに入れられた。
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