いっぱち物語(仮) 12 「なーに焦ってんだ?言ったろ?長居はしねぇって」 仕上げとばかりに殴られたほっぺにチュッとキスされる。 イテッ! 「ホンッット変態だよな、クマさん」 「知ってる」 ほっぺた抑えながら睨み上げると、ニヤニヤ笑って耳裏辺りに鼻先を擦り付けてくる。何かスンスン聴こえるし、あれ?これ、匂い嗅がれてる? 「クマさーーん。おい、変態」 「んー?んー…もうちょい、な?」 いや、な?つわれても。つかマジ何?オレ臭い?臭う? 「い、一応毎日風呂には入っとりますが。ビオレで洗っとりますが」 ついでに服の柔軟剤はダウニーを使っとりますが。たまに入れ忘れるけど。因みに学園にはコインランドリーが設備されてる。大半のボンボン共はクリーニング業者に頼んでるみたいだけど。チッ、ペッ 「じゃねぇよ。気持ち落ち着けてんだわ」 臭いで落ち着くの?臭いフェチ? 「つぅか、いい匂いすんな。懐かしいっつぅか、何の匂いだ?」 「んー?もしかしてお香かな?じもてぃーに送って貰ってっから」 行き着けのエスニックショップなら一箱68円だかんね。ついつい帰ったら大人買いですわ。それに落ち着いた香りは女子ウケいーべ?あ、浮気じゃねーよ! 「そーゆークマさんは汗臭ぇ」 お返しにクマさんの首筋に鼻先を寄せてみる。 「あーワリ」 謝りながらも離れないし。擦り寄ってくっから髪が首を擽ってムズムズする。じっとしてたら段々クマさんの体重がかかってきたし。 「重ぇし」 「んー…悪い悪い……なぁ、八」 謝る気ゼロだわな、これ。 「なんでちゅかー?クマちゃーん?」 「……頭、撫でて」 「…クマさんって時々めっさ甘えてくるよね」 「歳いったオッサンは子供返りするって相場が決まってんだよ」 「半世紀も生きてないのに子供返りとかw」 「いいから撫でろよ。じゃねぇとちんこ扱くぞ」 「トんだね」 何故シモに走るしw [*前][次#] [戻る] |