いっぱち物語(仮) 6 それから、良く言えば明るいところに惹かれたのか、クラスメイトの爽やかだと評判の早川君も行動を共にするようになった。 地獄だった。 早川君も不良もホストも僕を目の敵にする。最初は食事時、いつしか四六時中生徒会役員まで一緒に行動するようになって、全員ネチネチいびってきて、暴力を奮われた事もあった。「星輝が優しいからって付け上がるな」とかそんな理由で。好きでこいつ等の傍に居るわけじゃないのに、奴は役員達に護られて手を出せないからって、親衛隊は僕に制裁を加える。「お前みたいな平凡が皆様に近付くな!おこがましい!」「オタクの金魚の糞のクセに!」とか、オタクって言うより不潔だったり無頓着なんだと思うんだけど、彼等のオタクの定義って何なんだろう。 友人は離れて行った。 巻き込まれるのが怖いんだろう。 もう目もあわさない… 「引き付けてやっから、その間に出て行きなよ」 彼だけだった。 彼だけが、今の僕に悪意の無い言葉をかけてくれた。 その日、初めて奴に引っ張られて生徒会室に行った。 取り巻きは相変わらず僕を睨んできたけど、どうする事も出来なかった。抵抗すれば奴が喚き出す。そうして、なぜかわからないけど泣き出して、そうなったらアウトだ。暴力を奮われる。だから我慢しなきゃ。こんな事、永く続くわけないんだから… [*前][次#] [戻る] |