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 旅行に行こう。

[銀八視点]

パー子が商店街で当てた特別賞の旅行割引券。
行き先は秘湯の温泉らしく、銀時とパー子がすごく行きたがってたから行くことになった。
今週は三連休で丁度いいしな。


てなわけで、今は電車で旅館へ向かってるっつーことだ。
旅館が少し田舎の方にあるせいか、俺たちが乗ってる車両には俺たち以外誰も乗ってない。


「ねぇねぇ金時、温泉って家のお風呂とどう違うのー?」

「家の風呂より断然気持ちいいんだよ〜。あと広い。
露天風呂だと外の景色も最高なんだ」

「へぇー…楽しそう!」


向かい側に座っている金時と銀はにこにこ笑いながら会話をしていて、銀時は俺の右隣で寝ている。
左隣にいるパー子は携帯をいじっていた。

俺はというと…昨日学校でやった小テストの丸つけ。
今のうちにやっとかねぇと終わらねぇ気がするし。


「ん〜…ぎん…ぱちぃ……」

寝言を言いながら俺に寄り掛かってきた銀時。正直に言って可愛い…が、今はちょっと困る、仕事しづれぇから。


「…パー子、ちょっとの間でいいから銀時を頼む」

「今いいとこだから無理〜」


いや、俺の方が無理だっつーの。これじゃ仕事ができねぇんだよ。

お前はただゲームに夢中になってるだけじゃねぇか。


「…はぁ…」

仕方なくプリントを片付けて膝枕してやる俺ってなんて優しい兄貴なんだろうか。



しばらくして電車は止まり、目的地である旅館から少し離れた駅に着いた。

「わー着いた着いた!!早く行こう金時っ!!」

「分かったからそんな引っ張んなって〜」

銀はドアが開くと同時に金時を引っ張って走っていく。
俺も銀時を起こして金時達の後を追う。


少し歩くと大きめの建物が見えてきて、どうやらそこが泊まることになる旅館みてぇだ。


「わぁー…おっきーい!!」

「なかなかの大きさじゃん」


旅館の中はなかなか綺麗で落ち着ける雰囲気だった。
だが少し気になるのは俺達の他に客がいないこと。

「いらっしゃいませ、ご予約された坂田様ですね?」

「あーはい、そうです」

「お待ちしておりました。
では部屋へご案内いたします」


廊下を歩いて案内された部屋は相当デカかった。まぁ5人も泊まるんだから当たり前っちゃ当たり前なんだが。

「ではごゆっくり。
お食事の方は7時頃にお持ちいたしますので」

「わかりました」


荷物を置き、とりあえず座ってお茶を入れる。

「わぁー、見て見てっ!!池があるよ!!」


銀の方へ目をやると、窓からは綺麗な景色が広がっていた。
そういう景色が好きなわけではねぇけど…俺でも一瞬見とれる程の景色だった。


「ほォ…すげーな」

「写メ撮っておかなくちゃね♪」


銀に近づいて携帯で写真を撮り始めたパー子。
ふと銀時の方へ目をやれば……寝転がってテレビを見ていた。



「…よし、夕飯まで時間あるし…温泉でも入ってくっか」


そう提案すると、パー子と銀は行く行くー!!とノリノリで返事をして、銀時は後で入ると言い金時も後にすると返事が返ってきた。


「んじゃ俺達は入ってくるな。
…おとなしくしとけよお前ら」

「へいへーい」


…少し不安が残ったが、気にせずに着替えを持って温泉へと直行した。







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