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 白の思考と金時の本音?

[白視点]


まったく、どうして少し優しくしてやればすぐ勘違いをするんだ銀八の奴は……人の親切を素直に受け取れない所は銀八の短所だな。


「…そういえば…金時の部屋の掃除はまだしていなかったか」


銀八の奴はそっとしておけと言っていたがもうすぐ昼になるし、もし金時を起こしてしまっても問題ないだろうと決めた俺は一応そっと金時の部屋に入った。


「くかー…ん…ぎんー…」

「………なんて顔して寝ているんだコイツは…」


部屋に入って金時を見てみると、涎を垂らしながら嬉しそうな顔をして寝ていた。

……幸せな奴め。


「…涎を垂らしながら寝るな。不潔に見えるだろうが」


寝ている金時に言っても返事は返ってくるはずもなく、俺はティッシュを手に取って涎を拭き取ってやった。


「ん……ぎん…ぱち…?」

「…起きたか」

「おはよー…銀八ー…」

「……俺は銀八じゃな…っ、おい何をしている貴様っ」


目を覚まして起き上がったかと思えば腕を引っ張られ、ベッドの上に引きずり込まれた。すぐに起き上がろうとしたが…金時がしがみついてきて起き上がれそうにもない。


「ぎーんぱちぃ」

「だから俺は銀八じゃないと言っているだろうがっ」


寝ぼけて俺を銀八だと思っている金時を引き剥がそうともがけば、そうはさせるかと言わんばかりに抱きつく力を強めてくる。数分間そうやってもがき続けたが引き剥がすことは出来なかった。

コイツ…意外と力あるな。


「銀八ぃ……いつも仕事お疲れさん…」


…!
(今、金時が信じられない言葉を言った気が…)


不意打ちの言葉に驚いて顔を見ると金時は顔を近づけてきてそのまま口付けてきた。しかも舌を絡ませて…なんとも濃厚なキスをされた。


「っ…は…き、貴様…っ…」


流石はホストと言うべきか…かなり上手かった…って、そんな事を考えている場合じゃないだろう!


「銀八〜」

「っ…いい加減に気づかないのか貴様は!!」

「え…?」


大声で怒鳴ればビクッと体を跳ねさせてきょとんとした表情で俺の顔を見てきた。そして次の瞬間には目を見開いて飛び起きた。


「な、なんでお前が俺の部屋に居んだよ!!つかいつから居た!?」

「最初からだバカ者が」

「さ、最初からって………え、ちょっと待て、最初から!?」

「何度も言わせるな!!
貴様が色々した相手は銀八じゃなくて俺だ!!」

「……ははっ…これは夢だ…誰かそうだと言ってくれェェェ!!!!」

「現実逃避をしても無駄だ。
これは変わりようがない現実だからな」

「うっせー黙れ!!つかなんでお前はそんな冷静なわけ!?」



そういえば……いつもの俺なら金時の奴を殴り飛ばしている所だが今はそんな気がしない…。

「さて…何故だろうな…」


「っ…最悪だちくしょー…せっかく覚悟決めてしたってのに…白にしても何の意味もねーじゃん…」


何故なのかと考えているとぽつりと金時が呟いたのが聞こえて、ちらっと見てみると耳まで真っ赤にして片手で顔を覆っているのが見えた。


(…なるほど、そういうことか…)
自分が冷静でいられる理由、それは今の金時が銀時に似ているからだ。やはり兄弟だな…金時の奴も照れた顔が可愛らしい。

「…おい金時」

「……んだよ、俺のことはほっとけコノヤロー」

「そうはいかんな。
今の貴様は可愛い…そう、まるで銀時のようだ」

「っ…バカじゃねーの。
つか何が言いてーんだお前…」


ゆっくりと金時に近づいて頬を撫でる。咄嗟の事で金時が動けずにいるのをいいことに、俺は真っ赤になったままの金時に軽くキスをした。
そして耳元でこう囁いてやった。


「……お前のキス、なかなか良かったぞ。癖になりそうだ」

「っ…な…何言って…」


さらに真っ赤になった金時を見てニヤリと笑みを浮かべる。

どうしたものか……もっとからかいたくなる。もっと困らせてやりたい衝動に駆られてしまう。

金時は俺をその気にさせるのが上手いらしい…銀時以上に。



「おいお前らァ、まーた喧嘩してんのか…?」


俺の中の何かが疼いてきて気持ちが高ぶってきた所に、タイミングが良かったのか悪かったのか……銀八がやってきた。








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