3 あの日から…銀八とは一切話さなくなった。 …俺が銀八と話せなくなった、と言った方がより正しいかもしれない。 顔を見なくなった。 声すら聞きたくなかった。 そうしないと、俺自身が銀八の事諦めきれねぇ気がしたから。 そういう時に、アイツがよく俺に絡んで来るようになったっけな。 「ひーじかーた先輩っ」 「……またお前か」 一個下の学年の奴。 顔も名前も銀八にそっくりな… 坂田銀時。 銀八の顔を見たくねぇ、声も聞きたくねぇ時に、顔も声もそっくりなコイツが絡んでくる。 「……俺は今忙しいんだ、だからあっち行け」 他人から見りゃ冷たい態度に見えるだろう。そんなことは俺も分かってる。 けど今は、今は仕方ねぇんだ。 「大体、なんで俺のとこ来るんだよ」 「だって…この学校で一番信用出来るのは、土方先輩だから」 「………」 迷子になったガキのような、不安に満ちた顔をして俯いた。 その顔を見たせいか、俺は気付くと…子供をあやすように、銀時を抱き寄せて頭を撫でていた。 「…先…輩……?」 「……今からファミレス行くんだ。一緒に行きてぇならついてこい」 「えっ……」 俺からの突然の誘いに驚きを隠せないらしく、じっと俺を見つめたまま何も言わなかった。 [*前][次#] |