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交錯タイトロープ
7-11
「よし。じゃあ俺はどうすればいい?」
軽いステップを刻みつつ、恭は身体を温めてクェルナの準備を待つ。そしてクェルナは魔法で野球のボール程の大きさの光の球を一つ形成する。
「では簡単に説明する。今からこの魔弾で汝を狙う。そして汝は魔弾から逃げながら、これを消すのだ」
「え、それだけか?それにどうやって?」
戸惑う少年にクェルナは説明を続ける。
「魔女サリアの分析だが、汝の能力は防御にも攻撃にも使える能力だ。はっきり言えば、魔法や科学攻撃ですら無効化出来る『事象改竄』という反則技だ」
「事象改竄だって?」
聞き覚えのない言葉に首を傾げる恭。
「『事象を自分の思い通りに書き換える』能力というべきか。汝は前の戦いで無意識にこの力を発現し、あのアルバート・サイヅェレンの攻撃を殆ど無力化し、圧倒したのだぞ」
「そんな…、俺はそんな事をした覚えはないぞ」
「怒りの余りに発現したのだ。覚えてなくても仕方あるまい。だがしかし、その力で奴の力を自らの力量まで引き下げ、更に倒したのは事実。そして汝は、その力を有している」
「それじゃ、どうやってその力を使えばいい?」
「『事象を改竄する』という事は、既に起きた出来事を、またはこれから起こるであろう出来事を拒絶するという事だ。だから、この修行は攻撃にも防御にも使える事象の拒絶・否定するやり方を教える」
そう言い、クェルナは魔弾を恭に向けてゆっくりと放つ。


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あきゅろす。
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