[携帯モード] [URL送信]

交錯タイトロープ
4-12
(──新手か?しかし…)
キースは警戒を新たに現れた男にも向けるが、男の気迫はこちらには向かってこない。寧ろ、こちらよりも黒巣達を敵と認識している様に感じる。
「おやおや、新しいお客さんが増えちゃったよ。済まないがアーゲイン、アルバート君とメイ君を助けてやってくれないかね?」
「ぁ?」
「いやいや、我輩は『ゲート』を開くからその間に二人を回収してほしいのだよ?ホラ、我輩、これでもナイスミドルなお年頃だから、人間二人はおろか、旅行鞄も持てなくなっちゃったし」
肩をすくめて苦笑いを浮かべる老紳士の言葉に、アーゲインは当たり所のない苛々を抱えたまま、怠そうに顔を上げた。
「ンだよ、そんなモン、そっちの腐れアマにやらせろよ」
不躾に顎で指されたDはアーゲインの態度を無視している。
「あのねぇ、アーゲイン?女性に力仕事を頼んじゃ、ジェントルメンじゃないだろう?それに──」
重なった銃声が黒巣の言葉に被さる。しかし放たれた弾丸は彼の背に立ち塞がるDの両腕に阻まれる。

[*←前][次→#]

12/55ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!