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交錯タイトロープ
4-8
彼女──クェルナは静かに神託を告げる様にその名を述べる。
「……百なる魔女の一人って、どういう、事だ……」
サリアの顔──しかし違う人物の名を口にした彼女の言葉が恭の心の内を沈んでいく。
彼が衝撃を覚える中、老紳士は口角を吊り上げながら、傘を挿したまま胸に手を当てて恭しく一礼。
「これはこれは。ちょいと遅くなりましたが魔女様、お初にお目にかかります。
我輩はプロフェッサー黒巣(クロス)。『黒巣・ワンカウント・御陵(ゴリョウ)』と申します。以後お見知りおきを」
モノクルの下に人の良さそうな笑みを浮かべる老紳士。そして胸の前に添えていた腕を広げ、彼の同胞を指す。
「それでは我々の自己紹介をしましょう。我輩の隣のこの娘はトゥエトゥエ。我輩の楽しい助手兼娘みたいなものです」
「…プロセッサーの子供ってあまり言われたくない」
少女の冷めた厳しい反応に黒巣はショックを受けたのか、先程の柔和な表情が露骨に崩れる。
「ウハァン!?トゥエトゥエが脈絡もなく反抗期になりよったー!!しかもプロセッサーじゃないよ、トゥエトゥエ!我輩プロフェッサーですよ!!」
「プロセッサー、ウザい。ホント、ウザい」

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