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交錯タイトロープ
4-7
頭頂部から脊椎にかけて刃物を突き刺された様に、彼の殺気がアーゲインを貫く。それは彼だけではなく、対峙していた恭達にまで伝わった。
歯軋りが聞こえそうな程、怒りと悔しさを噛み殺した青年は魔女を一瞥し、振り返る。
「うんうん。やはりジェントルメンはそうでなくてはね」
飄々と笑っている男だが、得体の知れない圧力はアルバートにも匹敵すると恭とキースは感じていた。相手の口ぶりからすぐにこちらへと仕掛けるつもりは無いとはいえ、その手技は未確認。一秒後に誰か殺されているかもしれないという先程の殺気に、何が起きてもおかしくはなかった。
その不可視のプレッシャーの中、真っ直ぐに男の左目と右のモノクルを見据え、『彼女』は口を開いた。
「──我を、『百なる魔女』サリア・アウェイムを倒したのは汝か?老紳士よ」
魔女の問いに半眼で奇妙な笑みを浮かべた男は楽しそうに傘を回した。
「ああ、ウン。正確には違うが、まあその通りだよ。しかしながら、君はアルバート君から報告を受けていた魔女さんじゃあないみたいだねぇ。お宅、どなたかな?」
「…我は『百なる魔女』が一人。クェルナ……『クェルナ・シャンティ・クォ・クーン』だ」

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あきゅろす。
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