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交錯タイトロープ
4-1
「やあ、諸君。初めまして」
「……何だ、彼等は…!」
原因不明の現象により倒れたサリアに代わり、警戒を強めるキース。その眼前には初老の男は傘に当たる雨音を楽しむ様に佇んでいる。しかしながら軽薄そうな態度に反して彼の右のモノクルと左の眼からは油断ならない気配が漂っている。
黒いトレンチコート、黒いジャケットスーツに内は白いワイシャツ、そして白い手袋。モノトーンで統一されながらも、まるで暗雲から染み出した闇の様に男の得体の知れなさは計り知れない。
その右隣には段々に切り揃えられつつ左右非対称の前髪から冷めた表情を浮かべる小学生位の子供が恭達を見据えている。
「……今度はこの世界を壊す?プロフェッサー?」
「そうだよ〜トゥエトゥエ。今日はまあ、顔合わせみたいなものだがね」
男からトゥエトゥエと呼ばれた少女はつまらなそうに口を紡ぐ。彼女の身に着けているローブの腰には彼女の背丈の三分の二程ある鋭利な片刃の刃物が二つ、物騒にぶら下がっている。

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